「花冷え」という言葉があります。
この「花」はソメイヨシノです。
桜が咲いて暖かな春のはず・・・なのに寒い日。
それが花冷えです。

★ この写真を撮影した日は寒くはありませんでした。
なんとなくイメージとして寒いような雰囲気があるので選んだだけです。
花冷えという言葉を聞くと思い出すことがあります。
私は、学生時代のある日、手紙を受けとりました。
郵便受けに入っていたのではありません。
ある女性に貸していた本を返してもらったら、そこに挟んであったのです。
まだ寒い時期で、2月だったはずです。
もうその手紙は残っていませんが、内容の趣旨を記憶しています。
そこには、私のことを最近身近に感じることが書かれていました。
「お慕いしております」というように感じられたのです。
彼女が僕を? ちょっと意外ではありました。
ただ、最後に「お兄さんのように感じる」というようなことも書かれていたのです。
なぁんだ、恋心ではないというように釘を刺しているのか。
私は一人で微笑んだ覚えがあります。
「とても大切な人のようには感じるが、男として意識してはいないのよ」
と私が「勘違い」をしないように注意を受けたように感じました。
とはいうものの、好意を寄せられて悪い気はしません。
そうなると、気になり始めました。
その後、彼女と私の間は縮まりました。
スタートするためには、私がボールを投げなければ・・・
そう思いましたが、投げることはできませんでした。
当時の私の心は女性への不信感で蝕まれていました。
そして、自分の希望を諦めることに長けた青年に育っていました。
いずれも、私の生まれ育った環境のなせる業です。
女性への不信感から彼女を傷つけることを恐れた私。
心の中で「始めない」理由をあれこれ作り出しました。
その際に「お兄さんのように感じる」という彼女の言葉も利用しました。
いくらかわいくてもお兄さんが妹に恋をするわけにはいかないだろう。
兄は兄としての役割だけで十分である。
こういうように自分を納得させてしまったことを思い出します。
花が咲き始めたのに冷たい風が吹く。
今年、「花冷え」という言葉を聞いた際、学生時代の自分自身の心のありようを思い出しました。
夕方5時57分のNHK「茶ばしら天気」の松永気象予報士のおかげであります。
なお、今年は「花冷え」と呼ぶべき天候にはなりませんでした。
なぜか、ちょっとした寂しさを感じてしまいました。
