NHK-BSで「勿忘草の咲く町で」というドラマが放映されました。
若い看護師と研修医が主人公です。
人の生命に正面から向き合った重みのあるドラマでした。
暗い内容にならなかったのは、主役2人のキャラクターのおかげでしょう。
その中で、内藤剛志さん演ずるベテラン内科医が「死神」として登場。
積極的に看取りを進める医師なのです。
だから、ついた綽名が「死神」。
リアリストである彼は、医療現場の現実を踏まえた対応をします。
無理な(あまり意味のない)延命治療をせずに看取るというのです。
若い研修医は「治す」ことこそ医療の本質だという思いがありました。
それが、徐々に現実にも向き合いながら患者本人や家族に適した医療を考えるようになります。
三浦貴大さん演ずる息子が老父について
「できることは全部やってください」
と言います。胃瘻を作って延命することを求めるのです。
しかし、主人公は熟慮の末に看取りを勧めます。
仕事が忙しいから、という理由でカンファレンスを手短に切り上げようとする息子。
実は、老父の現実と向き合うのが怖いのでしょう。
すぐそこに迫った父の死から逃れたい気持ちがあったのだと思いました。
それが主人公の「看取りませんか?」で救われるのです。
「死を迎えさせてあげていいのだ」
そう思ったに違いありません。
死は誰もが避けられない問題です。
全8話の放送が終わると、NHK地上波で「リラの花咲くけものみち2」がスタート。
こちらは獣医学を学ぶ女性が主人公です。
第1話で、犬の安楽死が扱われました。
妻と2人で保護犬を迎え楽しく暮らしていた男性。
妻が先に亡くなり、犬と2人暮らしに。
その飼犬に異変が起きます。
もう助かる見込みがない病に冒されてしまったのです。
男性は安楽死を望みます。
それを受け容れる院長に主人公は反発を覚えます。
しかし、徐々に事情を理解していきます。

私はこういったドラマをみながら猫のことを考えます。
いずれお別れしなければなりません。
すでに腎機能が若干衰え、服薬中です。
高齢猫の現実に直面しています。
これからはもっと病気を心配することになるでしょう。
いつかは死の問題に向き合うときがやってきます。
そのときどうするか?
できるだけの治療をしてあげたい。
間違いなくそう思います。
でも、もう助かる見込みがないということだったら・・・
無駄な抵抗でも手を尽くすつもりでしたが、少し考えてみました。
私たち日本人は安楽死を選べません。
自己決定権は死にかんするかぎりは制限されています。
でも、猫の安楽死は可能です。
私が決断すれば。
ドラマで男性は「苦しまずに死なせてやりたい」というのです。
私も猫たちが苦しむ姿をみたくありません。
猫たちが苦しんでも命をつなぎたいかどうか?
私にはできない安楽死を猫たちは選ぶことができ、その責任を私が負えば済みます。
猫たちが死の病にとりつかれた際、私は安楽死させてあげようと決めました。
私が決めてあげることで、猫たちは安らかな死を迎えることができます。
悲しみが癒えることは決してないでしょうが、猫たちは救われるはずです。
たぶん。
