自分自身の心情をある歌に託す。
こういうことはよくあるかもしれません。
今回は、北朝鮮への「帰国船」と「在日韓国・朝鮮人」、そして「日本人妻」の話です。
在日韓国・朝鮮人の方の一部は「帰り船」に独特の思いを抱くそうです。
正式には1959年から1984年まで続いた北朝鮮への帰還事業。
当時の多くの在日韓国・朝鮮人の出身地は韓国の地域でした。
朝鮮総連は北朝鮮がめざましい発展の途上にあることや医療費・教育費が無償であることを宣伝。
在日韓国・朝鮮人に「帰国」を勧めました(煽りました)。
その結果、初期の段階で多くの「帰国者」が応募。
その後、「帰国者」は急減しますが、これは現地の状況が「帰国者」から伝えられたため。
「地上の楽園」に渡った人たちには、日本に残った親族がいました。
「こちらは素晴らしい」という手紙は検閲対策。
こう書いていたら「帰ってくるな」の意味という事前打合わせができたいたのです。
日本に残った人々が北朝鮮の家族に対する思いを託した歌が、
「帰り船」(田端義夫さん)でした。
この曲は、上記の帰還事業を歌ったものではありません。
昭和21年、戦地から復員する人々の心を歌った曲です。
しかし、歌に自分のどういう心情を託すかは自由。
聴いていると、在日であることを選んだ人々の思いもそこに見いだせるように感じます。

上記の帰還事業では在日韓国・朝鮮人の夫を持つ日本人女性も北朝鮮に渡っています。
これが、「日本人妻」として語られる人々です(少数ですが、「日本人夫」もいました)。
この人たちを思う日本人の家族が思いを託したのが「翼をください」(赤い鳥)です。
♪ この大空に 翼を広げ
飛んで行きたいよ
悲しみのない 自由な空へ
翼はためかせ 行きたい ♪
北に渡ったまま帰国がかなわない娘や姉妹に会いたい。
きっと苦労しているに違いない。
自由に往来できる日がくるのだろうか?
こういう思いを歌詞の中に見いだすそうです。

哀しい心持ちを歌に託して希望に変えようとする。
そういうことは誰でもあると思います。
自分はどの曲に思いを託しているか?
この話はまたの機会に書いてみたいと思います。
