命をつないだお話です。
この猫は今の名前を「あずき」といいます。
一昨年の秋くらいに我が家に現れ,当時は完全な野良。つまり不良少女一歩手前です。
年齢は4乃至5か月といったところでした。
客人の元やくざベルンハルト・グリュンがナンパしたわけではないと思うのですが,
気付いたときはベルンハルト・グリュンのそばに当然のような顔をして居座っていました。
「アニキ,ワシにもメシを食わせてつかぁさい」
「おぅ!ワシにまかせとけや。ここの家のもんいうたら猫にはとことん甘いけぇ」
こういう会話があったかもしれません。
あまりにフレンドリー,そして無防備な感じで,追い払うには忍びないかわいい女の子でした。
結局,我が家で手術費を負担することを前提にお世話を始めたのです。
グリュンは相手がオス猫であれば,鋭い視線で威嚇し,場合によっては実力行使という流れになります。
しかし,メス猫だと優しく迎えるのです。
名前は「イザベル」にしました。私が好きなイザベル・アジャーニにちなむ命名です。
イザベルだったのは数か月。妻が途中から「クヌギ」という名前に変えてしまいました。
そして,縁あってご近所さんにもらわれて行きました。
その結果,「あずき」になりました。1年4か月前のことです。
今は写真よりも顔が丸くなった印象です。
ベルンハルト・グリュンは今も週に1乃至2度はあずきを訪問し,網戸越しに何か話しているそうです。
義侠心溢れる元侠客ベルンハルト・グリュン
次は,白いムクゲの樹の話です。
もともと近所の駐車場の片隅にあった樹です。
花が美しかったので,妻が挿し木で増やし自宅兼事務所の隣にある公園に植えました。
挿し木をしてからどのくらい経った頃だったでしょうか・・・
定かではありませんが,駐車場のムクゲは工事で撤去されてなくなりました。
でもこうして命が繋がりました。
猫も植物も命はひとつたい!
だから守れるものは守ります。この2件は「結果として」守ったにすぎませんが。