同定を依頼されました。
依頼者は妻なので、「これなに?」程度の話ではありますが。
対象は植物。
これの種名を明らかにせよ。
よそのお宅の庭にあったというのです。
セリ科?と思いましたが、葉のテクスチャーが異なります。
念のために香りもたしかめました。
私自身はそうそう目にしていない植物なのでしょう。
すぐにはわかりませんでした。
が、根元の白い球形の箇所に注目しました。
これと似たものが葉の付け根付近にもあります。
これはムカゴのようなものではないか?
そうすると、ヤマノイモ科が考えられるが、形態が合わない。
ユリ科なのか?あるいはサトイモ科ではないか?
と思考を巡らせて気づいたのです。
サトイモ科です。
カラスビシャク Pinellia ternata に間違いありません。
まだ生えたばかりなので根茎が形成されていないのです。
花が咲くとこういう感じになります。
妻は、たまにこういう難題を持ち込みます。
なお、妻が採集してきたカラスビシャクの葉の裏には鱗翅類の卵がついていました。
サトイモ科を食害するとすれば、ガの卵です。
セスジスズメのものだと思われますが、飼育して確認することまではしません。