たてつづけにグレゴリー・ペック主演の映画を観賞。
そのひとつは、名作の誉れが高い「アラバマ物語」。
映画をみると、邦題タイトルが非常につまらないことに気づきます。
原題は“To Kill a Mockingbird”です。
映画の内容にはこちらがふさわしいのですが、直訳すると意味がわからない。
そういう判断で配給元がわかりやすいもののつまらない邦題にしたようです。
黒人差別が根強い米国南部アラバマ州の話ゆえ「アラバマ物語」は間違いではありません。
でも・・・
映画の内容をここには書きません。
21世紀になっても主人公フィンチ弁護士が、アメリカ映画のヒーローベスト50の第一位選ばれている。
この事実を書いておけば、十分かもしれません。
このフィンチ弁護士を演じたのがグレゴリー・ペックです。
彼は、この作品でアカデミー賞主演男優賞を受賞。
尤も、こういう賞とは無関係に彼はスターの中のスターです。

★ 1962年、46歳のペックが演じたフィンチ弁護士
「キリマンジャロの雪「ローマの休日」「白鯨」
「大いなる西部」「ナバロンの要塞」「マッケンナの黄金」
出演作には名作が並びます。
正統派の二枚目スターの典型だったペックですが、私が
「おや?」
と感じたのが、「オーメン」への出演です。
グレゴリー・ペックほどの大スターがオカルト映画に出る。
このこと自体が珍しかったのですが、そのおかげか「オーメン」は大ヒット。

★ ダミアンの養父ロバート・ソーンを演じる60歳のペック
2年後、「ブラジルから来た少年」に出演。
これは、実在の「死の天使」と呼ばれたヨーゼフ・メンゲレを主人公にすえた話です。
人体実験を繰り返したメンゲレが、ヒトラーの遺伝子を使って・・・
これをナチハンターが追う。
当然、正義の味方にふさわしいペックがナチハンターだ。
メンゲレは名優ローレンス・オリビエ。
私はそう思い込んでいたら、配役が逆だったので仰天しました。
なんとグレゴリー・ペックが悪いメンゲレの役だったのです。
そして、「いやらしさ」を存分に発揮し、二枚目ぶりを見事に隠してみせました。
その後は「シーウルフ」で「ナバロンの要塞」でコンビを組んだデビッド・ニーヴンと再び共演。
この映画は戦争映画ですが、さすがに老いた印象でした。
私が心に残っているのは、“The Scarlet and the Black”です。
これはテレビ映画で2時間20分くらいの作品でした。
我が国での放映時は「スカーレット&ブラック」というタイトルでした。
「サウンド・オブ・ミュージック」のトラップ大佐を演じたクリストファー・プラマーがSSの中佐役。
ペックはバチカンの司教役で、この2人は実在の人物。内容も実話に基づくものでした。
この作品をみたのは、大学生の夏休みだったはずで、おそらく京都でみています。
司教を演じるペックは肩の力が抜けた飄々とした雰囲気でした。
その後、80代前半まで活躍し、2003年に亡くなりました。
生きていれば、110歳。
ペックが亡くなっても、その主演作は今も輝きを放っています。
