昼間は陽射しが暖かかった今月上旬、グリュン君と公園で寛いでいました。
グリュン君は、私の足元で転がって気持ちよさそうにしていました。
しかし、事態は一変。
自宅兼事務所の隣の公園でグレーの猫をみました。
以前からこの界隈に出没していた「純グレ」とは異なるようにみえました。
顔つきがまだ子供っぽいのです。
「お、かわいい」
というのが私の最初の印象でした。
残念ながら、親しくなることはできませんでした。
そのとき、ベルンハルト・グリュンは少し離れた場所にいました。
だから、「新顔」をみていません。
ノッシノッシとグリュン君がやって来て、私がいる場所の周辺の匂いを嗅ぎ始めました。
「!」という感じで動きを止めました。
そして、尻尾が膨らみました。その後も匂いを嗅ぎ続けました。
★ 尻尾が膨らんだ状態で匂いを嗅ぎ続けるグリュン君
ひとしきり「捜査」した後は、私に甘えました。
その際の猫キックは最近の中で最も力強かったのです。
噛み方も若干強めでした。
確立された自分を頂点とする秩序への新たな挑戦者の影を感じたのか。
若い雄猫の出現に荒ぶる闘志を抑えきれなかったのか。
グリュン君もシニア世代に入ったはずです。
初めて出会ったころは2歳くらいにみえました。
それから5年以上が経過しています。
中年猫になったグリュン君のキジ模様の毛に白いものが混じるようになりました。
若い挑戦者に対して互角以上に戦えるのか?
ホワイト六片の侵入も続いており、グリュン君が二面作戦をどう戦うのか?
心配ですが、猫たちの世界に人間が口を出すことはできません。
それが、人と猫の仁義です。
★ 新たな挑戦者の登場に何を思うのか、ベルンハルト・グリュン
でも、暖かい寝床に潤沢な食糧がある場所をやすやすと手放すことはないでしょう。
おそらくグリュン君は勝ちます。
彼には自信があるのです。それを日々感じます。
それは、「自分は愛されている」という自信です。
そして、その自信には確実な裏付けがあるのです。
でも、可能であれば、ホワイト六片にも新顔の若手にも幸せになってもらいたい。
ホワイト六片はもう大人なので飼い猫にはなれないでしょう。
でも、若手さんはもしかすると・・・
★ この写真は「仁義なき戦い 頂上作戦」のラストシーン
「もう、ワシらの時代はしまいで。18年も経って口が肥えてきたけんのう。
ワシら、もう野良突く程の性根はありゃせんのよ」
広能昌三(菅原文太さん)が武田明(小林旭さん)に語ります。
グリュン君も口が肥えてきたでしょう。
でも、「野良突く程の性根はありゃせん」ということにはなりません。
外猫である以上は縄張り(シマ)争いから引退することはないのです。
★ ブログのタイトルは前回の「令和残侠伝 キジ白仁義」を踏襲し、
健さんの「昭和残侠伝」シリーズから拝借しています。