前回に続いてサイコパスの特徴を列挙します。
今回は感情因子について。
サイコパスの特徴~感情因子~
(1) 良心の欠如
サイコパスには良心がありません。
これを具体的に述べると①他者への配慮の欠如、②愛情の欠如、
③相手の悲惨な状況に同情する感情の欠如などです。
こういった良心の欠如が、前回述べた対人因子における「虚言癖」
であったり「自己中心性」に繋がります。
普通は、悪いことをすれば相応の罰を受けるので「やめておこう」
と悪いことに走らないブレーキが働きますが、サイコパスの場合は、
このブレーキ機能がありません。悪事が処罰に繋がり、自らが苦痛
を受けるという思考ができないのです。
(2) 共感性・罪悪感の欠如
悪いことをしても悪びれることがないサイコパスですから罪悪感を
覚えることはなく、 他者が自らの行為によって苦しむことに感情を
動かされることはありません。 映画やドラマをみて涙を流したり、
主人公の気持ちにシンクロすることもできません。
(3) 残酷性と冷淡さ
以上から当然のようにサイコパスは冷淡であり、残酷性を有しています。
(4) 情緒性の欠如または薄さ
これも当然ですが、感情を揺さぶられることがないのがサイコパスなの
です。
(5) 不安にならない
上記したように、サイコパスは悪事を働くことについて、その反射としての
「処罰」を連想しません。つまり、不安になることがないのです。
良心をもつサイコパス
以上のような感情因子を持つサイコパスですが、必ず感情面に上記の
ような特徴を備えているとはいいきれません。
良心が欠如していないサイコパスも存在します。
この人たちは、反社会的な行動には走りません。
とはいえ、「自らの無謬性への自信」があります。
他人の目を気にしないような行動をとるのです。
行動はそういうものになってしまいますが、他人からの評価を気にする人も存在します。
他人からの見え方が気になるのに、思うがままに振舞う。
つまり、身勝手な行動をとりながら、他人からは良く思われたいのです。
かなり無理がある話ですが、当の本人はそうは思っていません。
良心を持ち合わせるようなサイコパスを「マイルド・サイコパス」のように呼ぶことがあります。
~(3)以下へつづく~