損保会社は「激務」ということになっています。
多くの人から「(会社員時代は)残業が大変だったでしょう」
「午前様ばかりじゃなかったですか?」
と訊ねられました。
実は、そういう経験はほんの僅かしかないのです。
入社2年目と3年目、飯塚に勤務していた頃にちょっとあったくらいです。
月末になると、月内支払を完了させたいということでやっていました。
アジャスターがカリカリと調査レポートを書く。
私が受け取り、アジャスターが書くべき業務明細を書き、さらに受領決裁。
そのレポートが女性(今の親友)に。
彼女はカリカリと支払伝票を書き、また私へ。
私はチェックして上司の決裁印を(勝手に)押す。
これを午前0時までやったことが何度かありました。
この2年間だけで、3年目は定時に帰ることもしばしばありました。
その後の転勤先でもあまり残業をしないようにしました。
趣味が忙しく、仕事で疲れるわけにはいかないという事情もありました。
そして、なによりも仕事をさっさと終わらせて退勤したかったのです。
政府系特殊法人に移ると、その状況は一変。
日々が午前様という職場でした。
が、疲れません。
理由は、仕事が本当に本当に簡単な内容なのです。
難しい点があるとすれば、簡単な仕事を難しくみせることくらいでした。
民間企業だと誰か1人に任せれば、半日もかからずに終わる質量。
これを総合職3人が徹夜でこなすのです。
つまり、仕事の要領が悪く、かつダラダラと時間をかけることが常態化しているのです。
締切時間のルールを設けても、それを守らないのが当然とされます。
そういう中でも飲み会の誘いのメールが入ります。
仕事中にそういうメールをどんどん送っているのです。いかに暇な職場かわかります。
「今日は早めに仕事を切り上げ、(午後)9時に●●(店の名称)に集合、食事をしてから飲みましょう」
早めに切り上げる時間が午後9時。
どう頑張ってもそこまで引き延ばすのが難しいような簡単すぎる事務仕事。
難易度は非常に低く、時間もかからないレベルの仕事をしているのに、それを
「激務」
と捉える職場でした。
飲み会で遅くなれば、タクシーチケットを使って県外まで帰る(片道2万円程度)。
そのチケット代はすべて国民の税金でした。
私が「こがな職場、やっとられん」と広島弁でつぶやく理由はあったのです。
「ワシは国民に仁義を欠くようなことはできゃせん!カタギになっちゃる!」
結果的に特殊法人勤務は2か月半で終了。
興味はないが勝手知ったる損保業界に戻りました。
収入が高くなることで自分を納得させ、やりたいとは思っていない仕事をすることにしたのです。
深夜残業など一切ない日々でした。
業務の難易度は上がりましたが、私以外にノウハウや知識を持たない特殊任務につきました。
いわゆる特命事項担当です。
私はそのおかげで自由を謳歌できたのです。
今はどうか?
たまに夕食後も働きます。
でも、日中にちょっとくつろいでいることもあるのです。
今は、完全に自由で、気分のままに働いております。
勤労意欲がいまひとつの私にとってはこのくらいが合っているようで。