昨年の記事に続いてカラスアゲハ Papilio dehaanii の登場です。
美麗種です。
でも・・・北海道のカラスアゲハの春型はもっと綺麗です。
なぜそうなるのか?
これは、ジャコウアゲハ Atrophaneura alcinous がいるかいないかの違いです。
ジャコウアゲハは有毒であるウマノスズクサを主要食草としています。
その毒素を体内に蓄積しています。
鳥が成虫を捕食すると「オエッ!」となるのです。
このジャコウアゲハの黒っぽい姿に多少なりとも化けているわけです。
ほとんど似ていませんが、そういうことのようです。
北海道にはジャコウアゲハがいないため、化けても意味がありません。
だからもっともっと美しい姿をみせてくれるのです。
★ ジャコウアゲハ
ジャコウアゲハは余計な存在のようですが、多くのアゲハの仲間にとってはありがたいのです。
有毒ゆえに鳥に嫌われる。
それに化けることで自らを守ることができる。
特にクロアゲハ Papilio protenor とオナガアゲハ Papilio macilentus はうまく化けています。
★ 左 クロアゲハ 右 オナガアゲハ
飛び方までそっくりで、ジャコウアゲハのようにフワフワと緩やかに飛んでいます。
しかし、危険を察知すると素早い動きでかわします。
ジャコウアゲハは素早く飛ぶことはありません。
危険な状況などあり得ないという確信があるようです。
クロアゲハとジャコウアゲハは我が家にやって来ます。
オナガアゲハはこの辺にはいないようです。佐賀の天山にはいるのですが。
なお、アゲハモドキ Epicopeia hainesii という蛾もジャコウアゲハに化けています。
自宅兼事務所の隣の公園では、アゲハモドキが飛んでいる姿をみることができます。
★ アゲハモドキ