自宅兼事務所の隣にある公園に久々に登場!
アゲハチョウ科のジャコウアゲハ Atrophaneura alcinous です。
アゲハやカラスアゲハはPapilio属。
ジャコウアゲハはAtrophaneura属で、「Papilio一家」ではありません。

このジャコウアゲハを「兇悪」と書いたのは、有毒だからです。
とはいえ、人に害は一切ありません。
幼虫の食草がウマノスズクサやオオバウマノスズクサ。
これらは有毒植物です。
山菜と間違えて誤食するような対象ではないので、駆除する必要はない植物です。
さて、この有毒な植物から毒素を得たジャコウアゲハ、鳥から嫌われます。
鳥がジャコウアゲハを食べると
「オエーッ!」
そのため、鳥はジャコウアゲハを捕食対象にしません。
「そうか!よし、わかった!」
クロアゲハやカラスアゲハはジャコウアゲハの真似をするようになりました。
特徴である飛び方を真似するのです。
緩やかにふわりふわり。
バレて襲われそうになったら、普段の飛翔力を発揮して逃げる。
オナガアゲハは、その姿かたちもかなり似ています。
我が国のPapilio属の黒いアゲハ類はジャコウアゲハに擬態しているのです。
北海道のカラスアゲハがピカピカで美しいのは、北海道にはジャコウアゲハがいないから。
黒っぽいジャコウアゲハに化ける意味がないからです。
ジャコウアゲハは変異の多さも特徴です。
宮古諸島の個体群はひとつの亜種。
八重山諸島の個体群も。
さらには沖縄本島や奄美群島あたりの個体群も亜種です。
さらには屋久島の個体群にも特徴があり、亜種とされています。
本土のものもまた違っており、結果的に5つの亜種に分けられています。
さて、写真のジャコウアゲハは原名亜種のメス。
黒っぽくはありません。
独特のクリーム色のアゲハです。
スリムな翅型でなかなか美しい蝶です。
ウマノスズクサが河川沿いに多いので、河川敷を飛ぶ姿を見ることが多い種。
花によく集まり、Papilio属のアゲハ類とは趣が異なるので、人気があります。
春先には小さな春型個体が、今は大きめの夏型個体が飛んでいます。
