今から10年くらい前だったと思います。
近くの小学校で「カナヘビブーム」が起きていました。
男子児童も女子児童もカナヘビを追い回していました。
今ほどに電子機器を使ったゲームに勤しむ子供が少なかったのでしょう。
子供はこぞってカナヘビを追いかけ、夢中になっていました。
カナヘビにとっては迷惑な話だったかもしれません。
けれども、捕らえたカナヘビを殺すような子供はいませんでした。
餌となるバッタの幼生や森林性のゴキブリなどを探していたのです。
カナヘビは腹いっぱい食べる生活と引き換えに自由を失う。
そういう印象でした。
やがてブームは去りました。
カナヘビには「本来の生態」が戻りました。
子供たちはスマホを使ったゲームに熱中するようになりました。
子供は「本来の元気さ」を失ったようにみえます。
昆虫やカナヘビを追い回すー残酷だという大人もいなくはありません。
でも、そういう遊びを通じて生命に触れ、死を知る。
子供にとってはスマホの画面に没入するよりも健全な世界だと思います。
スマホに熱中する子供たちはカナヘビからはどう見えているのでしょうか?