福岡県司法書士会のADRセンター運営委員というものになりました。
司法書士会の会務にかんしては熱心な人,いわれればやる人,基本的にやらない人がいます。
それにくわえて回避する人がいるようです。
今回,この仕事をすることにしたのは,県司法書士会のサイトに委員募集の記事が出たからです。
おそらくなり手がいないだろうな,という予測をしました。
ADRは紛争解決の一手段ですが,司法書士には紛争を嫌う人が意外に多いのです。
「司法試験ではなく司法書士試験を選んだのは紛争よりも平和な形で権利擁護に貢献したかったからだ」
とおっしゃった方がいます。その方が司法試験に合格するだけの学識があるかどうかは知りません。
ですが,紛争を嫌うという傾向はたしかにあるのです。
そもそも権利に関与する以上は紛争を避けるのは難しいと思うのですが・・・
たしかに不動産登記は権利を公示する手続きで,権利が衝突する場面になるケースは少ないでしょう。
会社や法人にかんする登記でも権利と権利が衝突するケースはまずありません。
登記の世界でやっていくという方はそれでOKだと思います。
しかし,今の司法書士の活躍は成年後見や債務整理,家事事件の手続きなどに広がっています。
権利をめぐる紛争とは無縁でいることは難しくなっています。
そういう意味でADRについてはもっと知られてよい方法だと思っています。
司法書士登録半年ちょっとですが,私じしんがADRの経験をそれなりに積んでいることもあって,
多少なりともお役に立てるのではないか。こう考えた次第です。
裁判所における調停,(財)交通事故紛争処理センターでの示談斡旋,日弁連の示談斡旋など何件やったことか。
概ね「攻められる側」で守りを固めながら,妥当な解決を図っていく立場でした。
今回は司法書士会が行うADRにかんする運営に委員の一人として関与するということです。
不謹慎な話が大好きな私ゆえADRを“Amoral Dream Report”の略だと思った方,今回はマジメです。
“Alternative Dispute Resolution”,裁判外紛争解決手続のお話です。
★ 写真は不謹慎映画の極致ともいえる「徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑」の一場面です。
川谷拓三さんが徐々に売れ始めた頃で,この作品ではのこぎり引きの刑になります。
1976年の作品ですが,その2年後の大河ドラマ「黄金の日々」で川谷さんは信長狙撃犯の
杉谷善住坊役として再びのこぎり引きの刑に。NHKが東映をパクったような感じです。
記事の内容が真面目だったので写真くらいは不謹慎なものを。
でも,刑罰や裁判に関する歴史(法制史)にはなかなか興味深いものがあります。
その時代の法に対する考え方や認識を知ることは,現在の法の成り立ちを知る上では必要だと思います。