楽観主義の人は、どこか明るく、悲観主義の人は暗い。
単純なイメージは上記のような感じかもしれません。
さて、仕事をする上ではどちらが望ましいか?
私は悲観主義、つまりペシミズムをベースにしています。
10の内容を説明しても、本当に伝わるのは3くらい。
野球なら3割で褒めてもらえますが、我々の仕事で3割の成功率では話になりません。
精密でたしかな仕事をしないと許してもらえない世界です。
たとえば、不動産の売買で、売主側に住所変更がある場合には、その登記をしなければなりません。
売主に住民票等の取得を依頼します。
それは事前の意思確認面談の際に行われることが多いのかもしれません。
あるいはその際に受領するか。
簡単なものはそれで構いません。
しかし、住所変更が数度行われ、その間に氏名変更も生じているような場合はどうか?
売買の関係者の中には、
「(売主に伝えたのだから)当日にちゃんと持ってきますよ」
というオポチュニズムに染まった人もいます。
そういうときに、ペシミストの私は「ちゃんと持ってくるのは難しいだろう」と考えるのです。
戸籍の附票を取得しても住所変更の流れが把握できない場合はどうするか?
私たちプロであれば原附票の取得をします。
が、日常的にそういう書類を目にする機会がない売主はどうでしょう?
況して忙しい売主が郵送請求を繰り返しながら、日程に余裕がない決済に間に合うか?
意思確認面談で「複雑」「不慣れ」「多忙」を感じたら、私は即動くようにしています。
先日も1日で200キロメートルの運転をして市役所、町役場を渡り歩いて書類を集めました。
日当は4万5000円。でも、これは私が自分の勘に従って動いた結果ゆえ請求しません。
ある市役所では戸籍の原附票を窓口の職員が知りませんでした。
私が説明し、その職員がほかの職員と相談しながら探した結果、出てきたのです。
仮に、売主本人が郵送請求をしていたら・・・結果は想像に難くありません。
きっと決済当日に書類が揃わず、おいおいどうするんだよ?と慌てる結果になったでしょう。
というわけで、私はペシミズムこそ確実な仕事のベースだと考えている次第です。
ゆえにオポチュニズム前提の方とはあまり仕事をしたくないのです。
ハシゴをはずされて困るのは私であり、買主から恨まれるのも私になる公算が強いので(笑)。
★ 「街角のペシミスト」はユーミンのアルバム「昨晩お会いしましょう」に収録されています。
明るいのノリノリの曲ではありませんが、あるライヴではオープニングに使われました。