12月5日に撮影したウラナミシジミ Lampides boeticus です。
この蝶もヒメアカタテハと同じく決まった越冬態を持っていません。
それゆえ冬季でも暖かい日には生き残った成虫が飛んでいます。
栽培マメ類を食害することもあり,そういう意味では害虫です。
主に花や蕾を食べていますが,店で買ったさやいんげんの中から幼虫をみつけることもあります。
この蝶の幼虫はマメ科の植物を広く食べるのですが,冬になるとチャノキの花に産卵したりします。
チャノキはツバキ科で,ツバキ科を食する蝶は我が国にはいません。
20数年前に飼育でチャノキの花を与えましたが,1頭も成虫になることはありませんでした。
おそらく植物がもつ化学物質に反応して成虫が産卵するだけでしょう。
幼虫にとってチャノキは好適な食餌植物ではないようです。
チャノキに産卵するウラナミシジミには交通事故の損害賠償事件の思い出が重なっています。
死亡事故で6~7000万円の示談交渉を成立させたのですが,被害者のお宅にチャノキがあり,
11月末にウラナミシジミが多数飛来して産卵していたのです。
示談後に遺族の方が手土産に日本酒をくださいました。灘の生一本です。
飲まない私ですが,お心遣いをありがたく頂戴した次第です。
私は加害者側の人間。利益相反っぽい話かもしれませんが,これは儀礼の範囲でしょう。