VHSビデオが当たり前の時代でした。
レンタルビデオ店で「やくざ残酷秘録 片腕切断」なる映画をみつけました。
そのときは借りなかったのですが、後悔することになります。
DVD化されることがないままなのです。
やくざの制裁として片腕を切り落とすシーンがあり、それがタイトルになっています。
これは、もちろん「演出」で、一種のサービスです(このシーンのみカラー)。
内容のほとんどは、現役のやくざによる賭博や薬物使用の現場です。
★ 「ポン」を煙草の箱のセロファンの上で水に溶かし、注射器で吸い取る映像
その後は、当然のように腕に注射器で注入するのでした。
これらはすべて本物であり、指を詰めるシーンも本物。
実際に「30万円の報酬で指を詰める人」を募集したそうです。
テキヤの口上も本物です。
当時の松葉会の会長のインタビューも収録されています。
これが前半の内容です。
ある時期にYouTubeで完全版が公開されていました。
私にとっては、その映像が初見でした。
「これはすごい映像だ」といたく感動したものです。
しかし、いつの間にか消されていました。
今回は、前半部分だけをみつけましたのでダウンロードしてみました。
こういった裏社会の実態をそのまま撮影したフィルムはそう多くはないはずです。
そういう意味で歴史的価値を持つ映像だと思います。
東映は速やかにDVD化すべきでしょう。
「それにしても、よく撮影できたな」
制作・監督が安藤昇氏(当時俳優・元東興業(安藤組)社長(組長))だったからできたのです。
1976年に公開されたモノクロ(パートカラー)映画です。
モノクロであることが、かえって生々しさを強める効果を生んでいます。
併映は「夜明けの旗 松本治一郎伝」に「狭山裁判」。
東映には珍しい社会派作品です。
この映画もある種の「社会派映画」ではあります。
やくざの「生態」を後世に伝える史料的な価値が高いのです。
一見の価値があります。
でも、「見たい!」という人は限られるかもしれません。

