交渉においては双方が主張します。
Aの主張をBはよく聴いているか?
反対に、BはAの主張をよく聴いているか?
交互に話をすることができればいいのですが・・・
中には、相手が話している途中から自分の主張を始めてしまう人もいます。
Aが話をしている途中からBがかぶせるように自己主張。
こうなると話は噛み合いません。
BはAの主張を聴く気がないのです。
これは、つまるところはAとの交渉成立を望んでいないことになります。
あるいは、内心ではAを見下してバカにしているのでしょう。
「お前の話なんて聴く価値はないんだよ」
ということになるので。
Bのような人は交渉においてはシロウトでもレベルが低い人です。
交渉なのに交渉をすることができないのですから。
なぜ、Bはそういう態度をとってしまうのか?
一つの理由は上記のようにAをなめているからです。
他の理由としては、自信がないというもの。
只管自己主張を貫こうとするのは、相手の話を聴いてしまうことに恐れを抱いている証拠。
相手の主張を聴いてしまうと、自分の屁理屈が木っ端みじんになる自覚くらいはあるのかも。
さらには、自分自身がすごく優れているという思い込みがある場合も挙げられます。
これが第一に挙げた「Aをなめている」態度につながります。
往々にして社会経験が浅い若い人がやってしまう傾向があります。
「俺は何でも知ってるんだから凄いんだから偉いんだから」*
という感じでしょうか。
*「」内にあえて読点を使っていません。声に出すと雰囲気が伝わると思います。
交渉慣れした人にはまずみられない態度です。
慣れた側からみると、実に軽~い印象を受けてしまうのです。
交渉に慣れていない人は訴訟の証人(本人)尋問を傍聴すると参考になるかもしれません。
質問→回答→質問→回答の繰り返し。
そして、原告側が主尋問→被告側が反対尋問のような形です。
すべてが交互に行われる仕組みになのです。
落ち着いて証人(または本人)の答えを聴いていると、どういう反対尋問をするべきかがわかります。
無論、相手の主尋問とそれに対する答えまで想定して反対尋問を準備はします。
けれども、緒は法廷での主尋問とそれに対する回答の中にあります。
落ち着いて相手の話を聴くことができないタイプには難しいでしょう。
★ 写真は「家事紛争解決プログラムの概要-家事調停の理論と技法-」のあるページ。
この本は,家事紛争のみならず交渉の作法を学ぶ上でも役立ちます(司法協会刊)。
相手の話を落ち着いて聴くことを「傾聴」といいます。
「傾聴」は交渉以前のマナーの問題です。
傾聴ができない人の「軽重」を判断すると「軽」ということになるでしょう。
というわけで、サブタイトルにしてみた次第です。