私はプロ野球シーズンが始まるとテレビで観戦します。
球場には行きません。
なぜか?
それは、バッテリーの配球をじっくりみたいからです。
そうなってしまったのには原因があります。
それは「野村スコープ」。
1984年、テレビ朝日の解説者として野村克也氏が使い始めました。
ストライクゾーンを9分割し、配球を解説するのです。
これにハマってしまったのです。
以来、野球観戦=配球予想になりました。
常にバッテリーの立場で打者をどう討ち取るかを考えるようになったのです。
その後は守備のシフトなどが気になるようになりました。
しかし、今のところはテレビ局はそこまで配慮してくれません。
我々の仕事も配球を考えるキャッチャーに似ている面があるかもしれません。
どういう組み立てで仕事を進めるか?
貸金業者との交渉にしろ登記の方法にしろ「組立」を考えます。
頭にあるのは依頼者の利益、安全性、そして効率。
たまに、「こういう登記を申請したら法務局はOKするだろうか?」というケースがあります。
そういう場合に実験的なことをするかといえば、私はしません。
司法書士仲間には「挑戦すべきだ」という人もいます。
しかし、依頼者にとって速やかかつ確実に登記が完了しないのでは意味がありません。
私は、依頼者の利益を後回しにして実験をする気にはなれないのです。
「安全運転」に限ります。
確実に打ち取ることができる配球を選択するのです。
示談でもそう。
真ん中高めの豪速球で三振を狙うのではなく、外角低めで打たせて取る。
相手もバットには当たったし、まあまあの当たりだったと思うくらい。
それが落としどころであり、合意に達する丁度よい金額になることが多いです。