恩人猫(本名は明かさない)と私は相思相愛。
毎晩のようにソファで一緒に過ごします。
見つめ合うこともしばしば。

猫はゴロゴロと音を出して喜びを表します。
私もゴロゴロと音を出したいのですが、できません。
やや高めの声で猫を褒め称えます。
高めの声は猫一般の好みに合わせています。
フランク永井さんのような低音は好まれません。
愛を語り合うような時間を過ごし、一緒にうたた寝。
実に幸せな時間です。
黒猫ノワールも私と相思相愛。
でもソファには来てくれません。
布団の中にも入って来ません。
寛ぐのも眠るのも一人で、というタイプなのです。
それでも私と目が合うと、足取りが弾むようなものに。

必ず食卓の椅子にジャンプし、そこで
「撫でろ~」
と鳴くのです。
愛おしそうに私を見る目。
私は毎回嬉しくて涙が出そうになります。
ノワールを褒め称え、撫で続けていると、
「はい、満足しました。終わっていいです」
とばかりに、スッと椅子を降りて寝床に入ってしまうことはしばしば。
ツンデレそのものがノワールなのです。
夕方、仕事が一段落して公園に向かうと、グリュン君が待っています。
「グリュン君」
声をかけると、「ミャーン」と声を上げ、ノッシノッシと歩き始めます。
公園に入るとローリング→猫キック→甘噛みといった一連のルーティンが始まります。
二人で彼の縄張りを巡回します。
最近は、巡回を私に任せてベンチで寛ぐ時間が増えました。
陽射しで温まったベンチが心地よいのでしょう。

そこで私に撫でられてご満悦。
甘噛みをする際のグリュン君の目は私への愛に満ちているのです。
私はここでもゴロゴロと音を出したくなりますが、できません。
このように私は猫の愛に支えられ、ゴロゴロな日々を送っております。
