私が25歳のときでした。
他社に勤務する人から電話がかかってきました。
「ねえ、高橋君、●●という人物知ってる?」
「ああ、右翼ですよ」
「やっぱり。そいつが介入してもう話がグチャグチャなんだわ」
「僕が(示談を)やったときは話がついたんですけどね」
「いや、もう俺の名前を街宣車で喚くとか言うんだよね」
「あれも(刑務所を)出てきたばかりですから、そういう馬鹿はやらないと思いますよ」
そういう会話をした数日後、また電話です。
「あの件は解決したわ」
「よかったですね」
「それがさあ、★★って知ってる?」
「それも右翼じゃないですかね?」
「加害者側が★★に頼んだわけ。●●は被害者側でしょ。
で、★★の方が立場が上らしくて、結局解決したんだよね」
「はあ、それはそちらの(自動車保険の)契約者さんがしゃぶられましたね」
「え?」
「★★と●●が結託したらどうなります?
★★は自分に依頼した人に対してどう言いますかね?」
「・・・・・」
「俺が●●と話をつけるんだから俺の顔を立てろ。言う通りに払えって言いません?」
「じゃあ・・・」
「今度は契約者さんから全額保険で賄ってくれという泣きが入る番ですね」
「やばいなあ・・・」
私の予想に反して、その損保会社の保険契約者さんは
「保険で出ん分は自分で払うけん」
と言ったそうです。
この種の出来レースっぽい話のつけ方は示談介入者が得意とするところでした。
昔々の話です。
今はもうこういう介入者がほとんどいない時代になりました。
警察や損保会社は
「浄化作戦が奏功した」
と胸を張っていますが、実は話をつける潤滑油役でもあった彼らです。
いた方がよかった・・・という声もなくはないようで。
なお、●●も★★もエセ右翼です。本物の「国士」にはほど遠い人たちでした。
★ 毒をもって毒を制する話ばかりだった「ミナミの帝王」シリーズ
主演は竹内力さんで、力さんは元銀行員です。本物の。