福岡県糸島市 司法書士 ブログ

放置と苦情を防ぐには

仕事を放置していればどうなるか?

依頼者から苦情が出るに決まっています。

以前に経過報告の重要性に触れたことがあります。

この「経過報告」ができていれば、苦情が発生することはないでしょう。

なぜなら「経過報告」するために、仕事を前に進めているからです。

そのために重要なのはスケジューリングです。

それ以上に重視すべきは適正な仕事量。

オーバーフローを起こしてしまうと、仕事が滞ります。

滞った結果、経過報告ができなくなり連絡が疎かになります。

当たり前ですが、依頼者はイライラ。

それが苦情として表現されるわけです。

今日はこれらのことについて述べてみます。

司法書士も苦情を受ける

残念ながら、司法書士にも仕事を放置する人がいるようです。

それを原因とする懲戒事例も少なくありません。

私も破産手続に入る旨を告げた貸金会社から釘を刺されました。

「先生、ちゃんと最後までやってくださいよ。放置されちゃったら困るんですよね」

苦情防止のためには

さて、問題は適正な仕事量をどう管理するか?という点です。

まずは、受任しすぎないこと。「安請け合いはいけませんよ」という話です。

調子よく「いいですよ、やります!」と軽い調子で言うのは簡単です。

でも、ここで責任が発生するのです(往々にして責任感のない人ほど軽く受けてしまう)

これを忘れてはいけません。

特に個人事務所であれば、自分一人の責任になります。

組織でカバーするということはあり得ないのです。

次に、自らの適正件数を知ることです。安請け合い防止にもなります。

他士業でいえば、1人の弁護士は概ね40件前後までしか受任しません。

これは数人の先生が共通して述べたことです。

私は過去の仕事の経験からある程度の「感覚」をもっています。

たとえば、依頼者ベースで40乃至50人くらいにおさめるべきでしょう。

件数は申請する登記の件数や交渉する貸金会社の数で考えても意味がありません。

依頼してくださる依頼者(経過報告の相手)ベースでカウントしてこその適正件数管理です。

中には

「100件以上抱えて目が回る忙しさ」

を自慢するような人がいます。

実は自慢にもならない話です。

私からみると「仕事が滞留していることの自白」でしかありません。

「土日も全部仕事をして、日によっては事務所に泊まって徹夜」

という話に至っては、完全にオーバーフローであることを示しています。

ある日、過労で倒れてしまったら仕掛中の仕事をどうするつもりだろう?

こう思わざるを得ません。責任感を疑ってしまうのです。

だって、最後に迷惑を被るのは依頼者ですから。

自分自身は有能だから大丈夫!

こう思っているとしたら、とんでもない勘違いです。不遜過ぎます。

1人の司法書士がこなし得る仕事量にはやはり限度があるのです。

信頼獲得のための適正件数管理

苦情を受ける原因には、上記の放置に基づく経過報告不足のほかに

「説明不足」

というものもあります。

この説明も受任事件が適正件数であれば、1件毎に丁寧に行うことができます。

「受け過ぎ」ではついつい雑になったり、省いてはいけない点を省いたり。

あるいは、勝手に依頼者はわかっているだろうと思い込んだり。

このように自己本位の仕事の進め方になる傾向に拍車がかかります。

 

どうすればよいか?

適正な件数以上に受任しないことは上記のとおりです。

では、適正件数をどう管理していくか?

それは、「経過報告」を基本に管理するのです。

この件は「●月●日に依頼者に経過報告をする」とスケジューリングする。

そのためには●月●日までに一定の成果を出す必要があります。

結果として仕事は着実に前へと進むのです。

一度目の経過報告が終わったら・・・二度目の期日を決めます。

こうすれば、仕事が進んでいることを依頼者に実感してもらえます。

確実に依頼者は安心し、信頼を寄せてくれるようになるでしょう。

 映画「黒い家」大竹しのぶさん

  クレーマー的な人物を強烈に演じています。

 

 

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