ある高齢者施設からの相談です。
消費者金融のコワモテ取立男子が2人でやって来たそうです。
いまどき取立てにわざわざ出向くなど古めかしいスタイルです。
見た目はそれなりにいかつくコワモテだったそうです。
この種のご相談では、相談者はちょっと怖い思いをしていらっしゃるのですが・・・
私はなぜか「切った張った」の交渉に明け暮れた青春の3年間を思い出してしまいます。
早々に施設を訪問し、債務者さんからお話を聞きました。
どうやら破産手続の流れです。
施設の管理者としては早々の対応を望むということです。
他の入所者さんが怖がってストレスを感じる可能性があるからだそうです。
たしかにお年寄りにとっては、いかつくゴツイおにいさんは恐怖の対象かもしれません。
戻ってから即電話をかけました。
予想に反して穏やかで紳士的です。
ただ、
「先生、ちゃんと最後までやってくださいよ。放置されちゃったら困るんですよね」
「本件は支払督促を申し立てて債務名義をとるつもりだったんですよ。
本人死んだら相続人から取れますんでね」
といった言葉が軽い調子で出てきます。
ご本人はまだまだお元気なのに「死んだら」という仮定を平気でするあたりがさすが。
「亡くなったら」ではなく「死んだら」というラフな表現もプロの取立屋さんっぽいイメージ。
「はいはい、ちゃんとやりますよ」
もちろん受任通知をすぐに出しました。
本件ではあえて内容証明郵便を使いました。
普通郵便で送ったら
「知らん」「届いとらん」「そっちの責任じゃ」「文句なら郵便屋に言え」
などと言われそうなので。
★ 金融といえば「難波金融伝・ミナミの帝王」
左が主役の萬田銀次郎を演じる竹内力さん
竹内さんは元銀行員という経歴をお持ちです。