私の開業は、形式的には昨年2月9日の司法書士登録日です。
実際に開業したのは4月でした。
その前後にしたのが「挨拶回り」。主に士業の方々の事務所に赴きました。
事務所に先生がいらっしゃらないことも多く、お会いできたのは7割くらい。
その際の接遇の仕方は千差万別です。
そして、その接し方の濃淡が今のつきあいの濃淡とほぼ一致しています。
ご本人が不在の場合、事務所の方に名刺と粗品(私の場合は煎茶)をお渡しします。
私のチェックポイントのひとつは、当日または後日に連絡があったかなかったか。
完全無視の事務所もありました。
これは普通のマナーではないので、私は一切おつきあいをしないことに決めます。
尤も、先方も私とはつきあう気がないからこその「完全無視」でしょう。
訪問先でお茶がでることはたまにありました。
こちらが恐縮するほどの丁寧なご挨拶をくださる事務所もありました。
面白いことに、今もおつきあいが続いているのはそういう事務所です。
お聴きできる話も様々でした。
「わざわざどうも」というへりくだった対応や激励の言葉をかけて下さる方。
他の先生方の噂話をされる方。
先方も私がどういう人間かを見極めようとするのがこの挨拶回りのとき。
一方で、私もおつきあいすべき人を見極めているわけです。
1年くらい経過すると、こちらから連絡をする先生としない先生に分かれました。
そして、それは当初の「見極め」と完全に一致しています。
面白いのは「仕事を廻しますね」という言葉をかけてくださった事務所です。
すべてお茶は出ていません。そして、今に至るまで仕事の紹介はありません。
そういう意味で「挨拶回り」はなかなか面白いイベントだったな、と感じます。
なお、会社員時代から仕事を通じておつきあいがあった弁護士事務所とは今も良好な関係です。
ここ10年くらいは仕事のつきあいがなかったのに、開業時には花まで贈ってくだったのです。
私の闘病時には食事に誘ってくださったこともありました。
会社員時代と違って私から仕事をお願いする機会はなくなっています。
先方が私を利用する機会もなかなかありません。
それでも続くおつきあい。まあ、これが本当の「おつきあい」の姿かな、とも思います。
★ 映画「陽炎」で仁義」を切る不知火おりん(樋口可南子さん)
「軒下三寸借り受けまして稼業、仁義発します。親分さんでしたらお控えなすって
おあにいさんでしたらごめんなさい」
様々な映画でみられるようで、実は意外に少ないシーンです。