福岡県糸島市 司法書士 ブログ

十津川村

奈良県吉野郡十津川村。

この村には思い入れがありますーといっても訪れたことがないままです。

1978年に放送されたドラマ「白い巨塔」に登場したのです。

私にとっては今もその影響を強く受けている小説とドラマです。

 

北林谷栄さん扮する山田うめさんが癌検診を受け、早期の胃癌であると診断されます。

癌であるという疑いを抱くのは里見脩二医師。山本學さんが演じました。

近畿癌センターの病理医である都留病理室長が細胞診で確定診断を下します。

都留医師を演じたのは新田昌玄さん。

ヒューマニズム溢れる展開でした。

山田うめさんの息子を演じた金親保雄さんにその妻役の菅原ちね子さん。

お二人はさほど知名度は高くありませんが、何度もドラマ等で演技を拝見しています。

「白い巨塔」でも短い出演時間ながら強い印象を残す演技でした。

ドラマは、山深い十津川村の当時の医療事情もよくわかる作りになっていました。

「オレ、死ぬんやろ」

北林さんの朴訥としたセリフ回しでユーモラスに聞こえました。

が、ガン=不治の病というイメージに対する恐怖や生への執着が込められたセリフでした。

 左は山本學さんの里見医師

  右が北林谷栄さんの山田うめさんです。

  このシーンは検診車でバリウムを飲むところ。実にまずそうに飲んでいました。

 

時は流れ、45年後になって私は十津川村と直接関わりました。

たまたま、仕事で十津川村役場とやりとりをしたのです。

山田うめさんが私に向かってほほ笑んだような気がしました。

 

山田うめさんは原作と田宮二郎さん主演の1978年のドラマに登場します。

しかし、その後に作られたリメイク版のような作品には登場しません。

この人の存在が、里見医師のキャラクターを深く描く上では不可欠なのに。

財前五郎の誤診問題を考えるうえで、対比すべき重要なシーンが連続するのに。

そして、過疎地の医療という社会問題を描き、ドラマにふくらみをもたせるのに。

私が村上弘明さん、唐沢寿明さんに岡田准一さんの財前に納得できない理由にもなっています。

財前という人物を掘り下げるためには里見を描き切らなければならないのです。

ちなみに里見脩二の決定版は山本學さんであるようにいわれていますが・・・

原作を読むと、里見の雰囲気に合うのは田村正和さんだったりするのです。

 

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