福岡県糸島市 司法書士 ブログ

勝負眼

NHKのプロ野球中継では、ゲームで勝負のポイントと考える局面で解説者が

    「 勝 負 眼 」

という札を呈示します。

この「勝負眼」は結構的を射ているので、さすがプロだなと感じます。

 

司法書士の勝負眼は色々あると思いますが、今日は珍しく営業面について。

先日、ある会合で若い先生に「信託などはやっていないのですか?」と訊ねました。

信託に関心を持つ若い先生は多いのです。

「まだそこまで(依頼者に対する説明により)結び付けられなくて・・・」

とおっしゃっていました。

信託業務をやる気はあるが、話をそちらにうまく誘導できないということのようでした。

その先生は機会があれば「信託」を一つの商品として売り込むつもりのようです。

司法書士は信託契約生成(その当否は別として)で高めの報酬を得る傾向があります。

チャンスがあれば大きな仕事にしたいのは当然かもしれません。

しかし、ベテランになればなるほど「信託がハマるパターンは限られている」と知っています。

このことは信託業務に非常に熱心な東日本の先生も認めています。

つまり、信託業務はいまだマイナーな分野なのです。

私のようにやらないことにしている司法書士も少なくありません(その理由は様々です)。

事務所経営のための「戦略眼」でいえば、マイナー分野に力を入れるべきか?

企業に勤務したり、一定の社会人経験がある人にとっては簡単な問いです。

答えは“Nein”

経営的には、世間から最も求められる業務にこそ力を入れるのが正しいのです。

そうすると登記分野が一番大事であるという結論になるのではないか。

世間には「司法書士=登記」という図式が浸透しています。

だから司法書士に対する相談は登記についてという人が多いのです。

成年後見や債務整理についてはようやく「司法書士もやっている」と認識されてきた印象。

行政からの「そういうのもやってらっしゃるんですか」という反応は何度かありました。

これらの分野はまだ「新しい業務分野」の次元です。

ただ、かなり普通にやるようになっているのも事実です。

刑訴法でいう「新しい捜査」みたいな感じでしょうか。

科学的捜査は普通に行われていますが、講学上は「新しい捜査手法」です。

これと同じ。

 

ところで、私自身は事務所経営の戦略など立てていません。

経営に心を砕かなければならない状況にはない(生活がかかっている補助者はいないし)からです。

だから登記業務の依頼がそれほど多くないままになっていても放置。

不動産仲介会社に売り込むようなことはしないし、他士業との業務提携もやっていません*

求められる家事審判申立書類作成に債務整理、そしてトラブル相談などを中心にやっています。

戦略眼的には・・・

糸島市では登記については大先生がいらっしゃるので私如きの出る幕ではありません。

この地域の隙間産業を私が担うことで世間のニーズを満たしているつもりです。

 

というわけで、司法書士としての「勝負眼」によれば、

「仕事は登記第一」

というのが正解ではないでしょうか。

*信頼できる弁護士複数名と税理士に社会福祉士の先生方とは利害を超えた協力関係を築いています。

 

  小久保さんが「勝負眼」!

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