私がうつ病の診断を受け,休職するように医師から言われたのが2010年9月半ば。
その日に出会ったのが一匹の仔猫でした。
カラスに拉致されそうになっているところを妻が助けました。
カササギが異様に騒ぐので,気になって見に行ったらカラスが仔猫をくわえていたそうです。
幸いに怪我はなく,妻は飼う決心を固めていました。
私は,といえば「反対」の声をあげたのです。
猫は大好きです。前々から我が家に迎えたかったのです。
しかし,うつ病の私が仔猫の鳴き声に苛立ってしまい,結果的に仔猫を憎んでしまう。
それを恐れました。自分が愛する猫を憎みたくないと思ったのです。
それでも妻は強硬でした。
まだ掌に乗る大きさです。哺乳瓶でミルクを飲ませ,排尿や排便の世話もしました。
休職した私も「子育て」に参加せざるを得ませんでしたが,これがよかったのです。
それまでの私は
「明日目が醒めなければいい」
と思う日々。希死念慮に憑りつかれていました。
自殺の方法もいくつも考えました。
ところが,仔猫の世話をするようになって死ぬことを考える余裕がなくなったのです。
結果的に私は仔猫に救われたのでした。
2010年10月,仔猫が走り回るようになり,私は急に忙しくなりました。
~つづく~