法律を扱っていると、普段使いの本と辞書的な本を備えることが多いのです。
たとえば、破産法に関しては伊藤眞教授の「破産法・民事再生法」(有斐閣)。
これは通読するのはなかなか難しいと思います。
森に迷い込むような気分になるかもしれません。
だから、普段使いの本ではなく辞書。
いざというときに調べるための本です。
脚注にも重要な記述があるので、注意深く調べます。

一方、普段使いでもあるし辞書でもあるような本も存在します。
たとえば、中田裕康教授の「債権総論」(岩波書店)はその種の本です。
同じような位置づけが、民事訴訟法の「新民事訴訟法講義」(有斐閣)。
有斐閣大学双書のシリーズで1冊だけ版を重ね続けた本です。
著者が高齢化しています(亡くなった方もいらっしゃいます)。
代わりになる本(リーガルクエスト)も登場しました。
おそらく、今後再版されることはないでしょう。
私は今も愛用しており、これが普段使いの本になっています。
この本は十分に詳しく書いてあるのですが、さらに調べる場合があります。
その場合は、伊藤眞教授の「民事訴訟法」ではなく、別の本を使っています。
それが、今も縦書きで出版されている「重点講義民事訴訟法」です。
上下で1500頁を超える大著。
高橋宏志教授の労作。
私の感覚では、普段使いの本は薄めのもので十分です。
再読、再再読というように何度も読み直すには薄い方が便利。
反対に辞書の存在となる本は「なんでも書いてある」ような分厚いものが適します。
分厚い本を書棚に並べているのは「インテリア」代わりにしているわけではありません。
個別論点を詳細に解明する際に必要だからです。
私の場合は「薄いか厚いか」が普段使いか辞書かの違いになっています。
