ブーケといっても花束ではありません。
俳優のミシェル・ブーケのことです。
今月13日に96歳で亡くなりました。
我が国では「大スター」扱いはされませんが、大物俳優です。
フランス映画をみていると、この人の存在が映画を引き締めているのがわかります。
「ボルサリーノ」・・・ベルモンド et ドロン
「暗くなるまでこの恋を」・・・ベルモンド et ドヌーヴ
「暗黒街のふたり」・・・ドロン et ギャバン
といった大スター共演の作品にこの人が登場します。
特に「暗黒街の二人」のブーケはほんとうに嫌な奴を演じています。
主人公ドロンを偏見から差別し、犯罪に追い込んでいきます。
「犯罪」とはブーケが演じるゴワトロー警部殺害です。
ドロンは死刑になってしまいます。
映画をみていると、ブーケに対して「殺されて当然や」という思いが湧き起ります。
私はフランス語はわからないし、フランス人の表現のニュアンスもわかりません。
しかし、ブーケの表現は言語の壁を超えた迫真性をもっています。
素晴らしい俳優さんでした。
その演技の特別の香気(bouquet )は特筆されてしかるべきでしょう。