債権を他人に譲渡する。
これは普通に行われています。
この分野は論点も多く、債権総論の教科書などでも詳しく説明されています。
債権を譲渡する人がいれば、それを譲り受ける人もいます。
それぞれ、債権譲渡人とか債権譲受人のように表記します。
しかし、「譲渡譲受」と書いてあるものをみたことはありません
・・・でしたが、みてしまいました。
ある債権回収会社が債務者に通知をする際に使う封筒に書いてあったのです。
これはかなり珍しい表現だと思いました。
この会社が催告書を送ってきた場合、消滅時効が完成している場合がほとんどです。
おそらくバルクセールで買ったのはなく、タダでもらい受けた債権ではないでしょうか。
原債権者である消費者金融等から譲渡を受けた会社が手放したような債権です。
それをさらにもらい受け、わざわざ特定記録郵便で催告書を送っています。
地道な努力を続けているといえるのかもしれません。
この会社の特徴としては、司法書士や弁護士が受任通知を送り、取引履歴開示を求めると、
なんと、返信用封筒を要求するのです。
通常は債権者の費用で郵送するものなのです。
初めてこの会社に受任通知を送ると
「返信用封筒をください」
という電話がかかってきました。
「申し合わせで債権者の負担で送るものなのですが・・・」
「昨今の経済情勢から業界団体に問い合わせたら、返信用封筒を求めてもかまわないそうで」
昨今の経済情勢は悪くないはずなので、わけのわからない説明というほかありません。
でも、とりあえず110円切手を貼付した返信用封筒を110円の送料で送ってあげました。
二回目からは返信用封筒を入れた受任通知を出しています。
明らかに回収不能の債権でも、当たれば儲けものの精神で必死に催告書を送る姿勢に敬意を・・・
表したわけではありません。さっさと処理したいと思うので。