かつてキラキラしていて眩しかった彼女。
僕の心はときめいていた。
彼女はきっと今も美しく素敵な人なのだろう。
もう一度、彼女に逢ってみたい。
社会の垢にまみれた僕の心は、純粋な青年の恋を思い出すだろう・・・
青春時代をともに過ごす中で、ときめいた彼。
彼はどんな大人になったのだろう?
自分はいつの間にかおばさんになってしまった。
もう一度、彼に逢ってみたい。
そのとき、私はきらめきをとり戻すことができる・・・
こういう思いを抱く人がいるのはわかります。
でも、実際には残酷な結果になるのではないか?
「え?誰だっけ?」
こういう反応が相手から返ってくる可能性があります。
「やあ」
かつてのように笑顔をみせても、
「ああ、老けたなあ」
と失望を感じてしまう可能性もあるのです。
想い出は美しく、そして儚さもそなえているのでしょう。
記憶の中の彼は、いつまでも精悍です。
彼女の笑顔は美しく、そして愛くるしい。
だが、現実には人は確実に老います。
その老いが魅力になるかどうかは人それぞれ。
青春の思い出に郷愁を感じる人は少なくありません。
でも、その時代を共に過ごした人との再会は難しいのです。
再会したせいで、それまでの心の中の偶像が崩れ去ることもあります。
反対に、新たな魅力を発見して老いらくの恋が始まったりするかも。
こんなことを考えてしまったのは、久々にユーミンの
「コバルトアワー」
を聴いたからです。
1990年代から同窓会には出ないことにした私。
おおむね卒業という節目を境に疎遠になった仲間との再会は難しいのです。
お互いがお互いを必要としなくなっていき、連絡をとることはなくなっています。
つまり、お互いに関心を失っていったのです。
さて、再会してなにを話すのか?
私には話すことがありません。
聞きたい話もないのです。
再会して友情がよみがえるだろうか?
難しいような気がします。

♪ 懐かしすぎる海がみえたら
二人の胸によみがえる恋 ♪
懐かしさに鈍感な私には起きることがない現象のように思います。
♪ 夜明けの金星 消えゆく空はコバルト
真夏の桟橋 彼方に浮かぶ朝焼け
彼方に浮かぶ朝焼け ♪
ユーミンは、この詞で
「つまり、よみがえる恋なんて一瞬で消えるのよ。
ちょっとそういう気分になったけど、みたいな感じで」
と示唆しているような気がします。
