ベルンハルト・グリュンは、相変わらず夜間に出かけています。
私が、深夜に彼の寝床に行ってみると、
「ミャ~ン!」
と鳴いて、寝床から出ようとします。
「おう、来たか。おまえも一緒に行くか?」
みたいな感じなのです。
寒くなってきたから、と心配になって様子を見に行くと、
「あ、いない!」
ということもしばしばです。
彼は“NIGHT WALKER”
夜のお出かけは日常のことなのです。

“NIGHT WALKER”といえば、ユーミンがこのタイトルで曲を書いています。
♪ ペイヴメントは夜更けの通り雨
みんな急ぎ足
孤独のドアを叩きあいはしない ♪
都会の夜の寂しさが鮮やかに浮かび上がる詞です。
この曲を聴くと、私は学生時代のある冬を思い出します。
市内からはずれた一角を独り歩いた夜が何度かありました。
その後には、芽生えかかった恋の急な終焉が待っていたのです。
暗い夜を独りで歩くと、19歳の冬の気分になります。
それに比べると、グリュン君のNIGHT WALK は明るいもののようです。
アネマージュやミーちゃんといったメス猫の様子を見に行く。
彼女たちから歓迎され、グリュン君は
「ヘンなオス猫が来たら知らせなよ。俺が守ってやるからな」
と去っていく。
仲間の猫たちとのふれあいと優しさに満ちた世界です。
孤独を感じていた19歳の頃の私にはうらやましい限りです。
