バラの品種に“Briese”という名称のものがあります。
昨年の記事にも写真を載せましたが、これです。
今年は開花が遅れましたが、美しく咲き誇っています。
フランスのバラのブランドである“Delbard”(デルバール)社の開発した品種です。
我が家にあるバラで、フランスブランドは意外に少なく、ドイツのものが多いのです。
フランスのバラは「ハッ」とさせられるような美しさを持つ花が多い印象です。
だから庭の中でアクセントのような存在になっています。
“Briese”は「そよ風」。英語では“Breeze”です。
私にとっての“Breeze”といえば名曲“Breeze and You”。
今は亡きピアニスト和泉宏隆さんの手になる素晴らしいポップフュージョン。
流麗なピアノ演奏を堪能できる曲なのですが、タイトルはちょっと遊んでいます。
“The Breeze and I”という古い曲があるのです。
このタイトルのもじりでしょう。
“Breeze and You”は聴いていると、そよ風が吹いて、恋の予感を運んできそうな雰囲気です。
そして、なんとなく私の腕の中をするりと抜けて去っていくような・・・
そういう出会いと別れが織り込まれているように私は聴いています。
作った和泉さんと短時間ですが、この曲についてお話したことがあります。
けれども、詳しいイメージまではお聞きできませんでした。
そして、その機会はもう絶対に訪れないのです。
そういう思いを込めて我が家の“Briese”を鑑賞しています。
温かな色味にどこか哀しみを感じながら。