「12月の雨」というユーミンの荒井由実時代の曲は有名です。
♪ 雨音に気づいて 遅く起きた朝は
まだベッドの中で 半分眠りたい
ストーブをつけたら 曇ったガラス窓
手のひらでこすると ぼんやり冬景色
今でもあなたが 白い息を吐き
通りを渡って この部屋に来る気がして
時はいつの日にも 親切な友達
過ぎてゆくきのうを 物語に変える ♪
48年前の歌詞ですが、まったく古さを感じさせません。
人の記憶と時間の関係を鮮やかに描いているからでしょう。
実は、この曲のタイトルをもじったと思われるインストゥルメンタルの曲があります。
それが「11月の雨」。必ずしも有名な曲とはいえないかもしれません。
敬愛する故和泉宏隆さんの作品です。
T-SQUAREのアルバム“IMPRESSIVE”(1992年)に収録されています。
当時のサックス奏者は2代目の本田雅人さんでした。
★ “IMPRESSIVE”の初期のジャケット
その後にジャケットが変更になり、ファーストプレスのものだけが上記のデザインです。
私は和泉さんのLIVEで聴いたアコースティックバージョンに強いインパクトを受けました。
ベースが村上聖さんでドラムスが板垣正美さん。
村上さんの6弦ベースのソロが凄く、なにかに憑りつかれたような情熱的な演奏でした。
詞がないため、自分なりにメロディに思い出を乗せてみるー私はこれをやってしまうのです。
やってしまうと気分は大体ブルーになってしまうことが多く「やらなきゃよかった」と感じます。
思い出というものは、けっして明るくキラキラしたものばかりではありません。
特に「11月の雨」を聴くと、いまだに後悔を感じている思い出がよみがえるのです。
私にとっては、
「時はいつの日にも 親切な友達 過ぎてゆくきのうを 物語に変える」
わけではないようです。
一方で、女性は思い出を「上書き保存」する人が多いらしく、
「時はいつの日にも 親切な友達 過ぎてゆくきのうを 彼方へと流し去る」
みたいな感じ・・・とか。