MLBもNPBも「時短」にこだわっているようです。
MLBではピッチクロックや投手の牽制球制限の2シーズンめ。
申告敬遠はNPBでもすっかり定着しました。
これらの制度は野球における「かけひき」を否定する結果を招きます。
小林繁投手のサヨナラ敬遠暴投のようなドラマティックな幕切れはもう起きません。
新庄剛志選手による敬遠球をサヨナラヒットするような神業も見ることは不可能です。
敬遠は1試合に1回あるかないか。
どうしてこうも野球を単純化したがるのでしょう?
それほどまでに試合を短くしたいということは野球が嫌いなのか?
今、NPBでは選手の登場曲を10秒しか流さないようにしているようです。
チャンスで真打ち登場のような場面は、これまでどおり30秒でもいいではないか。
プロ野球が興行である以上、そういう演出は球場スタッフの裁量に任せるべきです。
MLBでは時短により、球場内のお店の売り上げが落ち、お店側が困っているとか。
ファンからも疑問の声が上がりつつあります。
★ 右の門倉健投手の登場曲は「炎のファイター」でした。
左は現役時代の三浦大輔現監督。登場曲は「リーゼントブルース」
一方で、MLBでは「打撃戦が喜ばれる」という発想からナ・リーグもDH制度を採用。
セ・リーグでも原辰徳前監督が指名打者制度の導入を強く求めていました。
でも、打撃戦は概ね長時間の試合になることが多く、「時短推奨」に逆行しています。
そして、打撃戦=投手がボロボロなので、試合に緊張感がなくなります。
今のMLBとNPBはファンが喜ぶかどうかをあまり考えていない気がします。
ファンあっての興行でしょう。
どうしても指名打者制度を両リーグでやりたいなら、こうしてはどうか。
オールスターまではセ・リーグで、以降はパ・リーグで指名打者制度。
翌シーズンは逆に。
偶数年の交流戦は指名打者制度。
申告敬遠、ピッチクロックに牽制球制限。
これらの制度により本当に試合時間が短くなったのか?
今、多少短縮できているのが、これらの制度によるという証明はありません。
時間さえ短くなればよいという発想よりも緊張感ある試合を、と考えるべきなのに。