たまには仕事の具体的な内容も書いてみます。
今日は、司法書士か司法書士試験受験生しかピンとこないお話です。
補正・・・なのか
某法務局の担当者から補正依頼を受けました。
補正指示というほどのレベルではありません。依頼くらいの感じです。
「私としては、こうしたいのですが・・・」
というお話でした。
所有権登記名義人住所変更の登記における登記原因が問題になりました。
具体的には所有権者の住所が以下のように住居表示により変わったのです。
A市B区D1000番地の2 → A市B区E町3番地4
私は、「昭和XX年Y月Z日町名地番変更」という登記原因で登記を申請しました。
担当者は「昭和XX年Y月Z日住居表示実施にしてくださいませんか」とおっしゃるのです。
私なりに一応根拠がありまして、それは「登記研究」の第524号の168頁にそう出ているからなのです。
といっても、実は私自身で上記雑誌の記事を確認したわけではありません。
登記研究に載っていることが以下の本に書いてあるのです。
この本は新日本法規出版から出ており、よく参照しています。
受験生時代には登記名義人の住所変更や氏名変更登記はさほど面倒ではない印象でした。
しかし、本が1冊書けてしまうくらいに多様な登記原因が存在し、一筋縄ではいきません。
上記の件は、法務局の担当者が「住居表示実施でいいと思うのですが」とおっしゃり、
私もそれで何の問題もないと思うので、補正して完了となりました。
当然ながら登録免許税は登録免許税法第5条第5号により非課税です。
補正不要・・・なのか・・・
同じ日に別の法務局から以下のような指摘を受けました。
「所有権移転の登記ですが、権利者の住民票が・・・」
「まさか添付し忘れたのか?」と思いましたが、そうではありませんでした。
住所である地名に含まれる「塚」の文字に小さな点が入っているというのです。
それまで気づきませんでした。
不覚!とも思いましたが、おそらく知らない人が多いと思います。
福岡県内の「塚」がつく地名は要注意かもしれません。
日頃から権利者・義務者の氏名にかんしては文字に特殊なものがないか気をつけています。
ご本人も戸籍上の表記を忘れてしまっているようなケースすらあります。
しかし、登記申請においては戸籍どおりに書かなければなりません。
まさか住民票の住所表記に特殊な文字が入っているとは思いませんでした。
「住民票に使われている文字を使っていいかどうかの確認ですが、よろしいですか?」
「結構でございます」
というやりとりで終わり、補正は不要でした。