「星空の誘惑」という曲があります。
41年前にユーミンが発表したアルバム“REINCARNATION”に収録されています。
このアルバムは名曲揃いです。
その中で「星空の誘惑」は人気があり、ライヴでもかなり盛り上がります。
メロディが疾走感に溢れ、たとえば歌詞の
♪ 想い出は流れ去るランプ ♪
♪ オレンジのトンネルの中は
横顔がネガのようだわ ♪ オレンジのトンネルの中は
といったくだりは、(私の場合は)女性とのドライブを疑似体験させてくれます。
で、上記の歌詞の♪ オレンジのトンネルの中は ♪ 以下の部分は私の実体験でもあります。
一緒にいた女性が、これを口ずさんだのです。
もちろんトンネルの中で。
歌詞では男性が運転しているようですが、そのときの私は助手席にいました。
♪ そっと重ねた冷たい手を
私ずっと大事にするわ ♪
と彼女が思っていたかどうかはわかりません。
私は眠くて、そういう気分ではなかったのです。
女性が失恋した悲しさを別の男性に愛を求めることで癒そうとする女性。
ユーミンの歌詞ではそうなのです。
では、現実はといえば、一緒にいた女性は彼氏と別れて間もない頃でした。
私に何を求めたのか? 歌詞どおりだったのか?
♪ もう戻れぬ遠いところへ
私のこと運んでほしい ♪
と思っていたかどうかはわかりません。
♪ きっとあなたの心は友達のまま ♪
という点はそのとおりで、私は彼女とどうにかなろうとは思っていませんでした。
♪ 理由(わけ)は聞かず
遠いところへ私のこと運んでほしい ♪
ではなく、はっきりした理由を告げられずに遠いところへ連れていかれそうで戸惑っていたのです。
最初から「行かないよ」と断ればいいではないか。
それができずに、ズルズルと女性のペースにはまるのが私の常でした。
そして、最後に悪者にされるのも私なのでありました。