福岡県糸島市 司法書士 ブログ

教育虐待

NHKで金曜日の19時30分から「THE Life」という番組が放送されています。

前回の放送では、昨年に発生した鳥栖の殺人事件がとりあげられました。

殺されたのは夫婦。犯人は大学生の実子でした。

第一審の佐賀地裁の判決は懲役24年。

現在は控訴審が福岡高裁に係属中で、3月6日に判決を迎えます。

 

この事件は、父親による「教育虐待」が焦点です。

永年にわたり被告人は父親から人格を否定され続けたというのです。

中学校・高校の受験から大学受験ではかなり厳しい「指導」があったそうです。

大学の学業成績についても激しい叱責があり、それが事件の直接の原因といわれています。

親として子供に何らかの期待をすることは当然でしょう。

しかし、子供は親の所有物ではないので思いどおりにすることはできません。

それでも、多くの子供は自分を殺して親に従っているーのではないかと思うのです。

 

これは私の実体験に基づく思いです。

母のうるさい干渉に私は

「うちにも金属バットがあることを忘れないでくれ」

という趣旨の発言をしたことがあります。

予備校生が金属バットで両親を撲殺した1980年の事件発生後のことでした。

当時、私は冗談という意識で言っています。

しかし、後年になって考えてみると、もしかすると殺意をどこかに抱いていたのではないか?

こう思ったのです。

高1になり、母から「九州大学進学」を毎日のように言われ続けていた時期でした。

中学校時代でも93点だと仏頂面で「もうちょっとなんとかならんのね?」

96点であれば、「あと4点なのに、それができんのね?」

こういう積重ねが私のストレスになっていたのは間違いありません。

だから、上記の被告人の「爆発」には私なりの共感を覚えてしまうのです。

私の場合は、あることで母への叛逆を決めました。

その結果、思い通りの進学を果たし、とりあえず大きな問題を起こさずに済んでいます。

とはいえ、その後は希望の進路を諦め、投げやりな社会人生活のスタートを切りました。

結局、思い起こせば、過去のストレスの蓄積がうつ病の原因になっています。

番組を視聴していて、上記の彼も私と同じだろうと思いました。

 

人を殺すことは絶対に許されませんが、結果的に彼は生き直す環境を得ています。

罪を反省し、過去の自分自身をみつめ直すことを繰り返せば、社会復帰は可能でしょう。

それを受け容れる社会であってほしいものです。

            ★ ドラマ「Mother」の松雪泰子さんと芦田愛菜さん

              このドラマの放送が始まった当時、私は精神的に最もきつい時期でした。

              ドラマの概要を知った私は視聴しないことにしました。耐えられないと思ったのです。

              今はみてみたいと思っています。

 

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