神戸
阪神・淡路大震災が起こった1995年の1月,私は29歳でした。30歳目前の時期です。
震災の1週間後には現地にいて,損保マンとして地震保険等の対応に追われていました。
神戸には学生時代に何度か行っており,想い出の地の状況を見に行きたかったのですが,
仕事が忙しく,また,交通が寸断された状態で,それはかないませんでした。
後日,想い出深い海辺のレストランが閉店したことを知りました。
震災の影響ではないようですが,国道2号線沿いの再開発か何かで店がなくなったようです。
想い出は・・・ここには細かくは書かないことにしますが,
簡単に記すと―
まさか遭うはずがないと思っていた人(梅田に行こうという誘いを「その日は忙しいから」と断っていた)
がその店に入ってきて気まずい思いをし,ムッとして出て行ったその人を
「追わなくていいの?」と連れから言われ,
「ごめんねなんて云って欲しくない♪」だろう,と勝手に決めました。
そして,連れともなんとなく気まずい雰囲気になってしまいました。
1986年の晩秋のことです。
就職が決まった私は,人生から降りたような気分で,春からの勤務を疎ましく思っており,
なにもかも嫌になっていた時期でした。
登場人物2人との関係にも投げやりになっており,その後は放置しました。
カンナの花が・・・
昨日この記憶が鮮やかに蘇ってしまったのは,この花の写真を撮影したからです。
そして,カンナの花からある曲の歌詞を思い出したのです。
♪想い出にひかれて
ああ ここまで来たけれども
あのころの2人はもうどこにもいない♪
ユーミンは,あえて「想い出」と表現しています。
なぜ「思い出」ではなく「想い出」なのでしょう?
思うに,記憶としては「思い出」,誰か特定の人のことへの想いを辿る際には「想い出」でしょうか。
こう考えていたら,レストランでの出来事が脳裏に蘇りました。
そして,この件は間違いなく「想い出」だな,と思ったのです。
尤も,あとの2人の登場人物にとっては既に上書き消去された記憶でしかないのかもしれませんが。
★「ごめんねなんて云って欲しくない」
“タワーサイドメモリー”の歌詞で神戸が舞台です。
★「想い出にひかれて~」
“カンナ8号線”の歌詞です。
いずれもアルバム「昨晩お会いしましょう」から