司法書士試験合格直後の私は,後見等の仕事にはあまり関心がありませんでした。
原因のひとつは母の存在にあるのかもしれません。
当時,母はグループホームから病院に移り,そこで「看取り」に至る可能性が強くなっていました。
これまでの記事を読まれた方はお気づきだと思いますが,私にとって母は難しい存在でした。
私がうつ病になった原因のひとつは,母の私に対する接し方だったことが明らかになっています。
合格当時はうつの症状が劇的に改善し,希死念慮にとらわれるようなこともなかったのですが,
それでも母と接することによるストレスは非常に大きく,うつの再発(悪化)を恐れていました。
そういう私でしたので,母がグループホームにいるころも,できるだけ訪問を回避したいと思っていました。
そのせいかグループホームなどの介護施設に対するイメージそのものがプラスではなかったのです。
しかし,司法書士となって開業のご挨拶にうかがった事務所でお会いした方々のおかげでそれが変わりました。
お会いしたのは後見等開始の審判の申立て等に注力されている司法書士のT先生,そして社会福祉士のK先生です。
私が年齢的に後見人等にふさわしいかどうかはわかりません。
しかし,この制度を使って福祉を充実させることができると知ったことはひとつの転機になりました。
リーガルサポートの後見人候補名簿登載のための研修もすべて終わり,単位の認定を待っています。
そういえば,この件にかんしては,別の司法書士の先生に
「高橋さんが後見を始めるまであと3年かかるのかぁ。大変だ~」
といわれたことがあります。「あと3年」の意味と誰が「大変」なのかはよくわかりませんでした。
「あと3年」というのは,上記の研修受講による単位取得の年限の話のようです。
6月から受講して3か月以内で終わったのですが・・・。
それはいいとして,この分野に関心を抱くようになるとは私自身が少々意外です。
おそらく,この春の母との別れでかなり気分が変わったのでしょう。
これからは後見等開始の審判の申立てを含め,福祉関連分野をもっと学ぼうと思っています。
諸外国の制度との比較や理念的なものにまで踏み込んで理解を深めようと考えています。