イネ科の雑草は、各種が春から晩秋まではびこります。
今、穂が美しいのは以下の3種類でしょう。
まずは、ヌカススキ Aira caryophyllea です。
ヨーロッパ原産の帰化植物です。
左は青々とした状態。右は果実が成熟し、やや枯れてきた状態です。
実物をみると、かなり美しいです。
次はカモガヤ Dactylis glomerata 。
一般にはオーチャードグラスとして知られています。
これも帰化植物です。
牧草として利用するために移入された外来種。
法面の土止めなどにも利用されました。
例によって野生化、そしてはびこったというわけです。
このカモガヤには注意が必要です。
花粉症の原因植物の代表のような存在なのです。
続いてはナギナタガヤ Vulpia myuros です。
こちらはヨーロッパから西アジアあたりの原産。
やはり帰化植物なのでした。
緑色の穂がキラキラして美しいイネ科植物です。
はびこる雑草ですが、その性質をうまく使う農法もあります。
果樹の周りにナギナタガヤの種を播き、これに地表を覆わせるというのです。
そうすると、他の雑草が入り込みにくい環境になるわけです。
土の中の殺菌もやってくれるそうで、ハダニの発生を抑える効果もあるらしいのです。
ナギナタガヤは1年草。放っておけば枯れます。
なかなか便利な雑草です。
ハダニは、ダニではありますが、人を刺すことはありません。
ダニが出てきたところで、最後はシラミです。
イネ科ではなく、セリ科の植物であるオオヤブジラミジラミ Torilis scabra です。
右は若い株で、左は果実が成熟して枯れてきたところ。
この果実がクセモノで、衣類にくっつくのです。
繁殖のための植物の戦略は様々ですが、このパターンはよくあります。
ベルンハルト・グリュンをブラッシングすると、この果実がくっついていることがあります。
繁殖のためには猫の手も借りたいようで。
★ オオヤブジラミをアシストしている可能性があるベルンハルト・グリュン君