カサブランカの白い花
鉢植えのカサブランカが咲いていますが,異様に巨大化しています。
昨年はここまで大きくありませんでしたが,今年はどうしたのでしょう?
Casablanca はスペイン語で「白い家」。モロッコの都市名でもあります。
そして,いわずと知れた名作映画のタイトルでもあります。
映画カサブランカ
映画「カサブランカ」はハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマンの主演作として,
また名曲“As Time Goes By”およびセリフ「キミの瞳に乾杯」で有名すぎる作品です。
「君の瞳に乾杯」は実際は“Here’s looking at you, kid”と言っています。
そのまま訳すと「君をみていることに乾杯だぜ」みたいな感じでしょうか。
カッコいいなぁ! と私が思ったのは,普段は右手でタバコを吸うリック(ボガート)が,
左手でタバコを吸うシーンです。このときリックはイルザ(バーグマン)を守るために,
コートのポケットに拳銃を忍ばせ,そのグリップを右手で握っているのですが,
映画ではそれを明確には描きません。
リックがなぜか左手でタバコを吸っている。わかりますね?という描き方です。
そこには愛する女性を命がけで守る男の決意が描かれており,独特のリリシズムを生み出しています。
今の映画はこういう表現をしなくなってしまいました。
この映画をモチーフにした曲はいくつかありますが,有名なのは
バーティ・ヒギンズの“Casablanca”とそのカバー曲である郷ひろみの「哀愁のカサブランカ」,
そして沢田研二の「カサブランカ・ダンディ」でしょうか。
後者は今の時代にはとてもではないが歌えない曲かもしれません。
♪ ききわけのない女の頬を 一つ二つ張り飛ばして
背中を向けてタバコを吸えば それで何も言うことはない ♪
暴力礼賛,女性蔑視に愛煙家という嫌われそうな内容です(笑)。
でもこういう曲を排除する社会の方が気味が悪いと思います。
猥雑で怪しげなものが存在し,それを許容できる社会の方が健全でしょう。
この曲がアウトであれば,私はつぶやくでしょう。
ジュリー ジュリー あんたの時代はよかった ♪
君の瞳に完敗
私にとっては「乾杯」というよりは「完敗」というべき出会いがありました。
1984年,19歳の春,完全に一目ぼれでした。
後にも先にも見ただけで心を射抜かれたのはこの人だけでした。
カサブランカの白い花よりも雰囲気的には赤いバラが似合いそうな女性でした。
話をしてみると性格も男を振り回しそうでいて,可愛げのあるところは,まさに私が望むタイプ。
この人もまた年上で,一浪していました。
押せば何とかなる―とは思いましたが,その女性が求める理想像はかなり年上の男性だと感じました。
なかなか女性に対し心を通わせるような接し方ができなかった私ゆえ,そのまま友達付き合いとなってしまいました。
この人に「好き」と言えなかったことが,私の「青春のリグレット」かもしれません。
不戦敗の「完敗」でもありました。