かつて、角川文庫からスウェーデンの警察小説が出版されていました。
ペール・ヴァール&マイ・シューヴァル(夫婦作家)のマルティンベック警視シリーズ。
「笑う警官」は我が国でもかなり売れました。
その後、北欧の作品はそれほど注目を集めることはありませんでした。
しかし、21世紀に入ると俄然注目が集まるようになりました。
他の稿でも触れたように訳文が飛躍的によくなったこともあるのでしょう。
早川書房も東京創元社も続々と北欧ミステリを出版しています。
ノルウェーとフィンランド、そしてデンマークは人口が500万人台半ばくらい。
スウェーデンは1100万人くらい。
あわせて2600万人の4か国でクォリティの高いミステリが次々と生まれています。
ヨハン・テオリンのエーランド島4部作は北欧情緒も豊かな作品群。
ジョー・ネスボの北欧ノワール。
読み応えのある作品が何冊もあります。
「へえ、スウェーデンのミステリか」
「笑う警官」は出版当時はこういう感じで受けとめられたようでした。
今は、
「さすが北欧の作品は質が高い!」
というように北欧ミステリは高い評価を受ける時代。
「北欧の作品なら間違いないだろう」
こう思わせてくれるのです。
私も北欧の作品にはいつも唸らされています。