二項対立という図式は、非常にわかりやすいものです。
一方で、物事をそういうふうに単純化できるの?という疑問もつきまといます。
この二項対立をうまく使った政治家は小泉純一郎元首相です。
「抵抗勢力」なるものを悪玉扱いしました。
つまり、自分の主張に賛同する側は善玉ということになるのです。
さて、本当にそうだったでしょうか?
最近のかんぽ生命の不祥事や、郵便サービスの低下は郵政民営化の結果では?
この二項対立を日常的に使っている連中もいます。
それは「新聞」や「報道番組」です。
会社ごとに反政府か親政府かの違いがありますが、概ね二項対立の図式を好みます。
特に政府に批判的な会社ほどその傾向が強いと感じます。
特定秘密保護法が国会で議論されていた時期には、
「国民のプライバシーや情報アクセスの権利を侵す法案」
というウソを平気で垂れ流していました。
大多数の国民は当該法律によって規律を受けることはありません。
重要な秘密が公務員から漏洩しないようにする態勢を強化するだけの法律です。
しかし、悪法という印象付けのために、一部報道機関は狂奔していました。
そこで使われたのが二項対立の図式です。
反対する野党=善 VS 賛成する与党=悪
「国民をないがしろにしている与党をやっつけましょう!」というような論調でした。
勧善懲悪という「見せ方」はわかりやすい上にウケます。
時代劇の多くはそういうフォーマットで作られます。
刑事ドラマもそうでしょう。
あるいはプロレスの設定もそうなっています。
ウケて拍手喝采が起きやすいのです。
理由は上記したように「わかりやすい」からです。
★ テレビ版「水戸黄門」の初代黄門様 東野英治郎さん(左)
二代目黄門様 西村晃さん(右)
お二人とも映画では悪役で強い印象を残した役者さんです。
これをよく考えてみると、報道機関はこのように考えているのではないかと思われます。
すなわち「国民の思考は単純だ。善VS悪の図式で煽れば、簡単に騙せる」と。
特に一部の新聞ではこの二項対立方式と、具体的事実に関する記述がないにもかかわらず、
「疑惑はますます深まった」というような反政府ムードを煽るタイプの論調が目につきます。
法案や政策に関する内容は、そうそう簡単に善悪を割り切れないのではないかと思います。
社会の木鐸を自認し、エリートであるという前提に立つ報道機関の皆様はそれをよくおわかりのはず。
でも、あえて二項対立の図式で報道したがるのは、情報の受け手をバカにしているからでしょう。
エライ俺たちが教え諭して導いてやらねばならないーこういう感じかもしれません。
以前にもブログの記事で述べましたが、取材の態度が明らかにそういう印象を与えるレベルです。
特に新聞社2社は横柄でした。
尤も、ある放送局の記者の誰に会っても、その取材姿勢は丁寧です。
だから、私は受信料を払わないような選択をすることはありません。