雨を色で表現する場合、どうしても青っぽくなるのが常。
そのままズバリのようなタイトルなのに、曲調が見事でベタに感じないのが
「みずいろの雨」(八神純子さん)でしょうか。
三浦徳子さんの作詞です。
同じようにブルー系の曲で「蒼い雨」(松田聖子さん)があります。
深夜の冷たい雨がモチーフになっています。ご本人の作詞(作曲も)です。
ところが、巨匠のひとりである秋元康さんが作詞した稲垣潤一さんの「蒼い雨」の季節は夏。
冷たい雨ではありません。
同じ「蒼い」色でも捉え方が異なるのです。
「白い雨」をご存じの方はいらっしゃるでしょうか?
前野曜子さんが42年前にリリースしたソロアルバムに収録されています。
前野さんはペドロ&カプリシャルの初代ボーカル。
ヒットした「別れの朝」は前野さんの歌唱です。
「白い雨」はとてもいい曲で私好みなのです。
「黒い雨」は井伏鱒二の文学作品で、映画も成功しました。
さすがに曲はないだろうと思ったら、数曲存在するのです。
そのうちの一曲はなんと女優の深田恭子さんが歌っていました。
黄色の雨とか赤い雨はないのですが、「オレンジの雨」はあります。
野口五郎さんのヒット曲です。
そして、なんと「みどりの雨」がみつかりました。
♪ あゝ美しの 箱根に みどりの雨が降る ♪
という藤山一郎さん歌唱の1953年の曲です。
ほかには「灰色の雨」が2曲。
その1つは中川晃教さんの作詞・作曲・歌唱という作品でした。
各月の雨にまつわる曲があるものの、色のバリエーションは少ないようです。
★ 前野曜子さん
40歳の若さで亡くなりました。
表舞台から姿を消した後に映画「蘇る金狼」のテーマで再び脚光を浴びました。
もっと思い出されていいシンガーです。