TBSが放送していた「ザ・ベストテン」は歌番組の金字塔とされています。
放送が始まったのは1978年1月。
私は清く正しい生活を送る中学1年生でした。
クラスメイトのほとんどがこの番組をみていました。
熱狂していたといっても過言ではありません。
放送の翌日は番組の話題でもちきりでした。
私は一度もこの番組をまるまる視聴したことがないのです。
修学旅行の際に短時間視聴したくらい。
なぜかというと、歌に順位をつけることに違和感があったのです。
たとえば、百恵ちゃんの歌とジュリーの歌のどちら上か?と問われたとします。
誰がこれに正解を出せるのでしょう?
何年何月何日には1位だったが、その翌週は7位だった。
この事実に何か意味があるのか?
こういうことを清純派中学生は感じたのでした。
もう一つの理由は司会者の喋りが極端にけたたましく、うるさかったこと。
これもこの番組を忌避した理由でした。
出演する歌手の皆さんに敬意をもっているようにはみえませんでした。
こういう「視聴しない理由」を中学生の言葉で語ってもクラスメイトには理解されませんでした。
ただ、3年生の修学旅行の際に新幹線の中で、ある女の子から
「なぜみないの?」
と聞かれた際に、中1のときよりはちょっとマシな言葉で説明しました。
すると、
「人それぞれだからわかるよ」
といってもらえ、非常に嬉しかったことを覚えています。
当時の私は、女性不信が強く結婚などとんでもないと思っていました。
けれども、今の私になることができたのは、たまに女性の理解者が現れたからかもしれません。
100%の女性不信に陥らずに済むよう、時々救いの手が差し伸べられていたように思います。
その前年も私はクラスメイトや担任教師からクラスマッチの際のプレーを非難されました。
が、隣のクラスの女の子が理解を示してくれています。
「わかってくれる人がいる」
これは少年にとっては存外に大きな意味があったのではないかと思っています。
中学生や高校生の際に時折現れる女性の理解者に順位をつけられるか?
とても無理です。それぞれに意味がある言葉をかけてくれたからです。
尤も、外見の好みを順位付けすることはできなくもありません。
でも、今はそういうことをすると、
「ルッキズムに毒されている」
「容姿で差別するなんて」
という非難を浴びる面倒な時代です。
だからやめておきます。
★ 中学生時代に理解者だった女の子はこの人に似ています。
髪の毛をショートにするとそっくりです。
井桁弘恵さん(福岡県出身のモデルさんです)