今回のタイトルは、ある席で同業の誰かが口にした言葉の話です。
曰く
ー司法書士は平和産業である。
自分は他人同士の諍いが嫌いである。
だから司法書士を職業として選択した。
弁護士にならなかったのはそういう理由だー
とのこと。
これを聞いてなんともいえない気分になりました。
弁護士は必ず紛争解決の仕事をしなければならないことになっています。
が、実際はそうではありません。
法廷に立つこともなく、示談交渉など一切せず、ひたすら契約書の作成やチェック。
こういう弁護士はたくさんいます。
弁護士として登記申請の代理業務をやることだってできます。
弁護士を「平和産業」として営むことは簡単なのです。
ハッキリとそれを指摘し、ついでに
「実際は学力不足だったからでしょう」
といったりする人は誰もいませんでした。
けれども、聞いていた人は内心ではそう思ったのではないか?
そう思われる可能性が高いのに、堂々と上記のような言葉を口にしてしまう。
この勇気と大胆さには感服しました。
ほかにも、
ー司法書士は登記申請で当事者双方から感謝される。
誰もがハッピーな世界で働くことができる。
自分は司法書士を選んでよかったと思っている。
弁護士にならなくて正解だった。
あの仕事ではストレスがたまって身がもたないー
こういう発言も聞いています。
弁護士業をやったことがないのに比較できてしまうのも大胆です。
「ならなくて正解」ではなく「なれなかった」ではありませんか?
こういうキツイ指摘はその場にいる誰もしませんでしたが、内心どう思ったことやら?
というわけで、司法書士には抜き差しならない弁護士コンプレックスがあるようなのです。
司法書士法等で業務に一定の制約がある司法書士。
弁護士は法律事務はオールマイティ。制約はありません。
申請すれば弁理士と税理士にもなることができます。
うらやましぃ~!と思うのは無理からぬことです。
そう思う前に、学力の差を埋める努力をすればいいのですが・・・
それをせずに単純に合格率の数値を比較して
「司法書士試験は司法試験より難しい」
といってしまう人までいます。
こうなってしまうと、もはやなんとも・・・
★ 布袋寅泰さん(左)と吉川晃司さん
2人が組んだユニット名は“COMPLEX”