「几帳面」は「きちょうめん」。
「性格が几帳面」というように使われる言葉です。
これを「貴重面」と書いた書類をみたことがありました。
私が会社員時代です。
企業では「自己申告書」のようなものを年1回提出させることが多いのです。
そこに自分自身の性格分析を書く欄がありました。
その人は、自分自身を「貴重面」と評価していたのです。
書類はデスクの上に広げられたまま。
誰でも読み放題の状態でした。
しかも、文具が散乱し、数日前の電話の伝言メモが貼られたまま。
抽斗もひとつだけではありましたが、半分開いた状態。
それでいて、自分自身を「きちょうめん」と評価する勇気ある姿勢。
私はたしかに「貴重」な人材であると感じたのでした。
さて、司法書士の仕事には「几帳面」さは不可欠です。
書類のありとあらゆる箇所に目配りをしてパーフェクトな書類作成。
プロである以上、これが当たり前。
几帳面でも貴重な人材にはなりえない。
ごく普通のレベルと評価されるのでした。
それでも、手抜き調査のような書類を目にする機会がないわけではありません。
司法書士では少数派。
思い切り内容をカットして強引に裁判所や法務局に押し込む。
これもまた才能かもしれません。貴重な存在でしょう。