サラリーマンのこづかいがいくらか?
これは、しばしば景気動向のひとつの指標のように扱われます。
会社勤めをしていた当時の私はいくら使っていたか?
青天井です。完全出来高制の無制限です。
尤も、「飲まない・吸わない・打たない・買わない」の私。
・・・というわけで、それほどかからないはです。
が、湯水のように使っていました。
蝶の専門書や昆虫採集用の特製の道具(釣り道具に凝るのと同じでしょうか)、
そして採集・観察のための旅行にカネを使いまくりました。
スーツも量販店ではなく、ちゃんとした有名店で上質の生地のものを買っていました。
靴もしかり。ネクタイも。ドレスシャツも1万円以下のものは着ません。
それでも使い道が限られているせいか、貯蓄もそこそこできたのでした。
特定の趣味がなく、ゴルフやマージャン、酒にたまの風俗などでカネを使う人がいます。
貯金が一向に増えないようですが、なぜでしょう?
おそらく、後に何かが残るような使い方ではないからです。
私の場合は1冊ン万円の本が残ります。かなり貴重なデータとなる標本も残ります。
旅行の思い出は無形のものかもしれませんが、いつまでも残っています。
そうすると、これはもういいか、次はこのくらいにしよう、といった見直しができるのです。
もちろん、より豪勢に使ってしまうような流れになることもありますけれど。
一方で、その場の快楽のみに使うと、次はより大きな快楽を求めてしまう・・・悪循環です。たぶん。
そういえば、面白い上司がいました。私が結婚披露宴の仲人をお願いした方です。
奥様が「高橋さんは大丈夫ですか?会社の給与だけじゃ厳しいでしょう?」とおっしゃったのです。
「いえ、〇〇所長(上司)には遠く及びませんが」で上司に遮られました。
「まあ、なんとかなるもんやで」 上司が余計なことをいうなよ、と目で語りかけてきます。
さらに奥様は「うちは手取り19万円だし、高橋さんはまだお若いからやりくりが大変ですよね」
心の中で「はぁ?」と声を上げましたが、上司が目で制します。
つまり、上司は給与の額を誤魔化して奥様に伝え、差額をこづかいにして遊びまくっていたのです。
後日、上司のご子息が私立高校に進学しました。
学校側から年収を証明する書類の提出を求められ、奥様は真実を知ることになります。
「もう信じられません。1000万円以上貰っているのに、400万円くらいしかないような偽装工作を・・・」
私は黙って笑うしかありませんでした。
上司は11歳も下の若い奥様を騙した悪い男ですが(変な意味ではなく)、漢気のある人でした。
と、一応かばっておきます。
今の私は・・・こづかいは相変わらず完全出来高制です。
★ 「仁義なき戦い 完結編」で武田明を演じるマイトガイこと小林旭さん
「借りは貸しを生むためのもんじゃ」という名セリフが本作では光ります。
裏社会の貸し借りの複雑な関係は本職の方から聞いたことがあります。
尤も、表社会においては「借りは利子を生むだけのもんじゃ」となってしまうのですが。