司法書士事務所を始めて1年半ほどになりました。
これまでに数件の破産事件を手がけました。
たまたまではありますが、依頼人はいずれも高齢の方でした。
とはいえ、免責が許可されることによって人生をリセットできる点は若い人と同じ。
「破産」という言葉には暗い響きがあります。
でも、それよりも人生のやり直しに注目すべきだと思っています。
法は必ず救済手段を用意してくれているのです。
破産手続開始決定を受け、その後に人生を再スタートさせる。
次は失敗しないように。
こう考える方がずっと気持ちがよいではありませんか。
ただ、ここで債権者の方々が犠牲になっていることを忘れるわけにはいきません。
やはり「ごめんなさい」とひとこと伝えるべきでしょう。
破産する人にそこまで求めるのは酷かもしれません。気持ちの余裕もないでしょう。
債権者側から怒鳴られるような想像をして恐怖感を覚えるかもしれません。
そこで、私は債権者に受任通知を送る際に、債務者=依頼者の方が述べていた
「申し訳ないと思っている」
という言葉を必ず伝えるようにしています。
そして、これは私の気持ちでもあるのです。
手続を進めるにあたっては債権者の協力が不可欠です。
せめて謝罪の言葉くらいは届けたいではないですか。