資格試験の常ですが、司法書士試験に関する受験産業が存在します。
これだけマイナーな世界でありながら。
マーケットは毎年の受験者数プラスちょっとくらいでしょう。
多くても2万人程度を相手にしても商売は成り立っているようです。
さて、この受験産業は必要か?
私の実感からすると、なくても構いません。
あれば便利なので、必要に応じて使えばよい。
予備校テキストや模試、講師は不可欠ではありません。
その理由は、既に述べたように試験が単純な出題だからです。
条文や本を読むことができれば、なんとかなります。
そもそも、実務では大量の文書を読む日々です。
「読む」ことが苦手では話にならないのです。
講師が喋る説明を聞くことは不要といってもよいのです。
仕事を始めれば、誰かが声に出して読んでくれたりするわけではありません。
自分で読む。自分で読んで理解する。自分で考える。
これが日常になります。
予備校にどっぷり首まで浸かってしまうとどうなるか?
誰かが説明してくれ、誰かが整理した情報をそのまま受け容れる。
極めて受動的な習慣なるものが身につくことになります。
実務においては、自らの判断で情報にアクセスしなければ解決は見えません。
予備校ベッタリではこれができるか?
疑問です。
大学生の大半が勉強しないといわれる今と同じです。
彼らの多くは受験生時代に予備校や塾に通っています。
そして予備校や塾からいわれるがままに勉強し合格します。
完全に受け身です。
大学に入ると、講義を手掛かりに自分で本を読んで主体的に勉強することになります。
これができないのでしょう。
主体的になにかをしなければ道が開けない。
大学であれ実務の世界であれ、この点は同じなのです。
司法書士試験を受験するにあたっては、予備校の利用はそこそこで十分です。
予備校講師がまとめた「テキスト」(アンチョコ)は、合格レベルの人が「知識の確認」に利用。
模試は問題集として利用(実際に模試会場で受験する必要はありません)。
あとは、過去問とそれに丁寧な解説がついた問題集程度で十分です。
司法書士試験は超難関!
だから予備校で完璧な対策をしないと!
今なら20%オフで基礎講座受講可能!
こういう宣伝をどう捉えるかは各自の責任で。

★ 司法書士試験合格者の多くが受験するものの受験者数が1000名に満たない認定考査。
その認定考査用の本まで存在します。
